「やればやるほど体に毒」運動に励むほど知らぬ間に壊れていく“体の部位”とは

膝関節炎は、年齢に関係なく発症する可能性がある疾患だ。激しい運動は膝に急激な損傷を与える恐れがあり、膝の健康を維持することは、痛みの予防にとどまらず、生活の質の向上にも寄与する。特に、軟骨の摩耗が進行すると、痛みや関節の硬直を引き起こし、活動後に症状が悪化することが多いとされている。

膝関節炎の主な原因は加齢による退行性変化であるが、生活習慣も大きく影響する。過体重は膝にかかる負担を増加させ、軟骨損傷を加速させる恐れがある。また、激しい身体活動や反復動作は関節にストレスを与え、炎症を引き起こす可能性がある。スポーツ障害や外傷による衝撃も関節炎のリスク要因となる。

関節炎が疑われる場合、早期診断が極めて重要であり、医療機関でのレントゲンやMRI検査で軟骨損傷の有無を確認できる。初期段階では薬物療法や理学療法を併用し、鎮痛剤や抗炎症薬で症状を和らげることが可能だ。さらに膝周囲の筋肉を鍛える運動を継続することで関節を守る効果が期待できる。ただし保存的治療でも症状が悪化する場合は、軟骨再生治療や人工関節手術が必要となることもある。

膝関節炎の予防には生活習慣の改善が不可欠だ。適正な体重を維持し、膝への負担が少ない運動を選ぶことが推奨される。ウォーキング、水泳、サイクリングなどは膝への衝撃を軽減しながら筋力を強化できる運動法だ。また、衝撃吸収性の高い靴を履くことで膝への負担を軽減できる。膝の痛みが持続する場合は、専門の診療科を受診し、適切な治療を受けることが求められる。