米空軍初の公式戦闘ドローン(無人機)の一機が、1年の開発期間を経て試験飛行を完了したと、科学専門メディアのニュー・アトラスが報じた。 先月末、ゼネラル・アトミックスの 「YFQ-42A」試作機がカリフォルニア州パームデールのグレイ・ビュート・フィールド空港(Gray Butte Field Airport)から離陸し、試験飛行を実施した。YFQ-42Aは将来的に約1,000機の自律飛行体へと拡大される見込みだ。

YFQ-42A無人戦闘機は、アンドゥリル・インダストリーズが開発した「YFQ-44A」とともに、米空軍戦闘機として正式に承認された。アンドゥリルのYFQ-44Aも間もなく試験飛行に入る予定だ。空軍は2026会計年度に両機種の量産モデルを決定する方針だ。米軍は「F-22・ラプター」や「F-35・ライトニングII」などの第5・第6世代戦闘機と共に作戦を遂行し、パイロットに代わって危険な任務を遂行する「ロイヤル・ウィングマン(Loyal Wingman)」と呼ばれる戦闘機部隊を構築する計画だ。ロイヤル・ウィングマンの特徴は、人工知能(AI)による制御と、他の航空機とチームを組んで作戦を行える点にある。

YFQ-42Aは低コスト・大量運用を目指すゼネラル・アトミックスの「Gambit」製品群から派生したモデルだ。この機体はまだ試作段階にあるため、仕様の大部分は流動的で機密扱いとなっている。
ただし、航続距離は約1,300km以上と推定され、搭載庫には空対空ミサイル2発を搭載可能とみられる。また、空中給油機能を備え、機体はレーダーと赤外線信号を最小限に抑える設計によりステルス性能が向上している。
ゼネラル・アトミックスの子会社ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)のデビッド・R・アレクサンダーCEOは「米空軍とGA-ASIにとって画期的な瞬間だ」と述べ、「我々の協力により、わずか1年余りでYFQ-42Aを開発し試験飛行にこぎつけた。これは驚異的な成果であり、空軍のビジョンと、当社の新たな歴史的偉業を成し遂げた開発チームに敬意を表したい」と語った。
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