
中国広東省広州市で、配達員が死んだと思い込んでいたワニを配送中に突然動き出し、襲われるという騒然となる出来事が起きた。7日付の杭州日報によるとある配達員の男性がワニ業者から依頼を受け、近隣の飲食店まで配送することになったという。普段通り配達していた観氏は、業者から「死んだワニ」と説明を受け、袋に入ったワニを電動自転車に載せて配送していた。しかし、配送中にスピードバンプを越えた際、オートバイが揺れにより、袋の中のワニが突然動き出したという。
袋の中のワニが動き出したことに驚いた観氏は、業者に連絡した。ところが、業者は「足で押さえておけばいい」と信じ難い指示をした。観氏はスリッパを履いたままワニを押さえつけようとしたが、ワニに噛まれてとうとうスリッパが破れてしまった。彼はこのままワニを配送するのは危険だと判断し、即座に警察へ通報した。一方、業者側も「物品の紛失」を理由に別途警察へ連絡した。
通報を受けて出動した警察は、ワニを近隣の空き地に移して保管し、業者が直接引き取るよう指示した。配達員の男性は「最初から生きたワニだと分かっていれば、配送は絶対引き受けなかった」と語り、「わずか26元(約540円)の報酬のためにこんな危険を冒す理由はない」と述べた。
これに対し業者は「死んでいるとは言っていない。普段から口を縛って袋に入れて配送しており、それで問題になったことは一度もない」と主張した。しかし、現地の法律では流通目的のワニは口を縛り目隠しをした上で、必ず木箱または鉄製の檻に入れることが定められているため、業者の管理不備を指摘する声が上がっている。事件後、業者は配達員に対し、スリッパの代金と業務の遅れに対する補償として200元(約4,100円)を支払い、和解に至ったという。
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