Metaが2日後に開催される「Meta Connect 2025」で発表される予定だったスマートグラス製品群をYouTubeで「サプライズ公開」したが、すぐに削除した。透明ディスプレイと手首バンドで操作する「ハイエンド人工知能(AI)グラス」はもちろんのこと、オークリーおよびレイバングラスの新型デザインもすべて明らかになった。イベント前の盛り上がりにはやや欠けるとの評価がある一方で、AIの活用によって真の「メタバース」の実現が目前に迫っているとの期待も高まっている。

Metaは15日(現地時間)昼に「Meta Connect 2025」関連の動画をYouTubeに公開したが、すぐに削除された。公開時間は短かったものの、その間に主要製品の外観がキャプチャされ、SNS上に流出している。
流出した動画によれば、Metaは今回のイベントでスマートグラス4種を発表する予定である。中核製品は、単眼透明ディスプレイを搭載したハイエンドAIグラスで、Meta初の透明ディスプレイ採用グラスとして表面筋電図(sEMG)手首バンドと一組になっている。
ディスプレイと手首バンドを通じ、従来は音声認識や音声のみでの入出力が可能だった機器以上に、より深化したAI・拡張現実(AR)体験が提供できると期待される。実際、流出動画では、眼鏡に映し出された地図で道を探したり、調理中にレシピ案内を受けたり、目の前の外国語の文章を翻訳したり、手首バンドを装着した手でメッセージに返信するなどの使用例が確認されている。
当初、この製品はレイバンなど他ブランドと協力せず「Metaグラス」として発売されると伝えられていたが、公開された動画では「レイバン」のロゴが明確に確認される。Metaが今年7月、レイバンやオークリー等を保有するエシロールルックスオティカに35億ドル(約5,130億円)を投資し、3%の株式を取得したことで、ブランド協業の障壁が取り払われたとの見方がある。流出動画では価格は示されなかったが、業界内では既存のレイバンMetaグラスの299ドル(約4万3,800円)よりも高い、約800ドル(約11万7,200円)前後が予想されている。

中央にカメラを搭載した新型オークリースマートグラスも明らかになった。名称は「オークリーMetaスフェラ(Sphaera)」と予想される。なお、スフェラはラテン語で「球体」を意味する。手首バンドや透明ディスプレイは採用されていないが、顔を覆うスポーツタイプのデザインにより、スキーやサイクリングなどの運動中に1人称視点の映像を撮影したり、AIの支援を受けたりするのに適していると見られる。
動画では、新たに発表される2製品群に加え、既存のレイバンおよびオークリーグラスも登場する。具体的な内容は不明だが、発売から時間が経過しているため、モデルチェンジや機能強化が行われている可能性もある。
Metaはイベントを控える中、完成した動画をYouTubeにアップロードする過程で「ミス」により流出させた可能性が高い。これによりMeta Connectイベントへの期待感は薄れたものの、流出した機器の外観がSNS上に拡散され、注目度が高まっているとの評価もある。テック業界関係者の一人は「透明ディスプレイ搭載のグラス型AR機器が実際に発売されるのは初めてであり、アーリーアダプターの間で大きな期待を集める製品だ」と述べ、「IT機器メーカーとして知名度が低いMetaへの注目を高める機会にもなるだろう」と語った。
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