
ウクライナが希少なロシア製の水陸両用機を史上初めて破壊し、戦果を誇示した。22日(現地時間)、ウクライナ国防省情報総局(HUR)は特殊部隊「プリマリ」がこの日、クリミア半島でロシアの「Be-12・チャイカ」2機の破壊に成功したと発表し、その映像を公開した。

公開された映像では、ウクライナ軍のドローン(無人機)が夜間飛行し、目標であるBe-12に接近する様子が確認できる。ウクライナ軍が主要な戦果として挙げたロシアのBe-12は、水陸両用機として対潜水艦および海上哨戒任務に従事する1950年代に設計され、1960年代に初飛行を果たした。最高速度は約540km/h、最大高度は約3,000mと旧式ではあるが、西側の情報機関は2023年、Be-12をロシアの海上航空パトロール作戦における重要な資産と位置付けた。
その理由は、設計こそ古いが、潜水艦探知および照準用の高価なセンサーとシステムを搭載しているためである。特にBe-12は、黒海においてウクライナの海上ドローンが猛威を振るう前に早期発見できるため、致命的な脅威になる。ご存じの通り、伝統的な海軍を持たないウクライナは、爆発物やミサイルを搭載する海上ドローンの攻撃により、ロシアの軍艦に致命的な打撃を加え、大きな戦果をあげてきた。

これを受け、ウクライナ軍はロシアの軍艦および港を攻撃するため、海上ドローンの配備数を急増させた。その結果、こうした攻撃に悩まされたロシア軍は、黒海艦隊の主力をクリミア半島のセヴァストポリから、ロシア南西部のノヴォロシースクへと移転せざるを得なくなった。
HURは「Be-12は対潜水艦任務の遂行能力により、ロシア軍にとって依然として重要な資産である」とし、「ウクライナ軍によるBe-12への攻撃は今回が初めてであり、破壊されたのも史上初である」と明らかにした。さらに「ウクライナ軍は21日にもクリミア半島に存在するロシアのMi-8・多目的ヘリコプター3機を破壊した」と付け加えた。
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