米国のドナルド・トランプ大統領がパム・ボンディ米法務長官に政敵の起訴を公然と要求した。米法務省の独立性を露骨に脅かす行為だとの批判が上がっている。
トランプ大統領はSNSの「トゥルース・ソーシャル」で「我々の評判と信頼が崩壊しつつあり、もはや猶予はない」と述べ、ボンディ長官に政敵の捜査着手を迫った。トランプ大統領の元個人弁護士であるボンディ長官は、これまで厚い信頼を得てきた。トランプ大統領はその後、記者団に「彼らが行動すること、迅速に行動することを望んでいる」と語った。
トランプ大統領は権力復帰後真っ先に報復すると公言してきた民主党のアダム・シフ上院議員（カリフォルニア州）、ジェームズ・コミー元FBI長官、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官を名指しした。
シフ委員は下院議員時代、ロシア疑惑、トランプ大統領に対する弾劾訴追、2021年1月6日の議会乱入事件に関する特別委員会調査などを主導してきた。コミー元FBI長官はトランプ政権1期目にFBI長官としてロシア疑惑を捜査し、トランプ大統領の不興を買った。ジェームズ長官はトランプ大統領と彼の事業体「トランプ・オーガナイゼーション」が資産価値を水増し申告し不当利益を得たとして起訴し、罰金刑を勝ち取った。
トランプ大統領はジェームズ長官を住宅ローン詐欺容疑で刑事起訴しなかったことを理由に、バージニア東部地区連邦検事のエリック・シーバート氏を事実上解任し、側近のリンジー・ハリガン氏を任命した。ハリガン氏はトランプ大統領の元個人弁護士出身でホワイトハウスのスタッフであり、ワシントンのスミソニアン博物館で「イデオロギー戦争」を担当してきた。
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