
ドナルド・トランプ米政権が「気候変動」、「グリーン」、「脱炭素」などを新たな禁止用語として指定した。気候危機を「詐欺」と断じるトランプ大統領の意向に沿い、米国の「脱環境保護」路線が加速している。
米政治専門メディア「ポリティコ」は9月28日(現地時間)、米エネルギー省(DOE)が「気候変動」、「排出」、「グリーン」、「脱炭素」などを禁止用語に追加したと報じた。
ポリティコが入手した9月26日付の内部メールによると、DOE傘下の「エネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)」の「避けるべき言葉」リストにこれらの表現が加えられた。EERE対外業務課長代理名義で送信されたメールには、「これは最新の『避けるべき言葉』リストであることをチーム全員に周知徹底してほしい。現政権の見解や優先事項に合致しない用語は、今後も細心の注意を払って避けるように」と記されていた。
ポリティコは「気候変動の実態を否定・沈黙・矮小化しようとするトランプ政権の最新の試みだ」と指摘し、リストの言葉がEEREの使命の核心にあるものだと報じた。
今回の指針は外部だけでなく内部コミュニケーションにも適用され、連邦政府の資金援助申請、報告書、ブリーフィングなどにも及ぶ。
使用禁止語には「エネルギー転換」、「持続可能」、「持続可能性」、「クリーンエネルギー」、「ダーティーエネルギー」、「カーボンフットプリント」、「CO₂フットプリント」、「税制優遇」、「税額控除」、「補助金」なども含まれる。
トランプ大統領は9月23日、ニューヨークの国連本部で行われた高級レベル会合の基調演説で、気候変動の議論を「世界最大の詐欺」と呼んだ。1982年の国連環境計画(UNEP)事務局長や1989年の国連職員の発言を引き、「そのような事態は起きなかった」と主張した。「気温が上がろうが下がろうが何が起ころうが気候変動と呼ばれる」、「1920~30年代には地球寒冷化が世界を滅ぼすと言われていた」と述べ、「この『グリーン詐欺』から抜け出さなければ各国は失敗に終わる」、「『カーボンフットプリント』は悪意ある者が仕組んだ詐欺だ」と強調した。
クリス・ライトDOE長官も最近、自身の指示で作成した報告書をもとに「気候の極端化における排出ガスの役割は過大評価され、地球温暖化の潜在的利点は過小評価されている」とするなど、科学界の定説を否定する発言を続けている。
ライト長官は9月24日の記者会見で、再生可能エネルギープロジェクトへの支援金130億ドル(約1兆9,500億円)を打ち切ると発表し、風力・太陽光発電へのインセンティブについて「33年経っても自力で繁栄できないのであれば、健全なビジネスとは言えない」と述べた。
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