飼い主は愛犬の毛を刈った後の姿を見て、ふっくら見える原因が毛ではなかったという現実を突きつけられた。
香港メディア「HK01」が紹介したのは、トリミングによって隠れていた本来の姿をさらした犬・フアミの物語だ。

台湾・高雄市に住む黄チアインさんは2016年、動物保護施設でスピッツのフアミと出会った。繁殖場で捨てられ、保護施設に引き取られたものの、人を怖がる性格が災いして新しい家族を見つけられずにいた犬だった。

フアミの境遇を知った黄さんはすぐに引き取ることを決意。たっぷりの愛情を注いで寄り添ったことで、フアミは少しずつ心を開き始めた。
過去に飢えを経験したせいか食べ物への執着が強く、引き取り時に4キロだった体重は瞬く間に7.5キロに増加。黄さんは豊かな毛並みのせいで体格が大きく見えるのだと考え、運動や食事制限による減量を試みた。
しかしフアミは、迎え入れた時点ですでに心臓と気管支に問題を抱えており、長期間のケージ生活で後脚も変形していた。長く歩くことが難しく、食事制限だけでは減量につながらなかった。
ダイエットが思うようにいかず健康診断を受けたところ、獣医師から意外な事実を告げられる。引き取り時に4歳と思われていたフアミは、実は8歳ですでに高齢犬だったのだ。
黄さんは「これまで人生の半分を苦しんで過ごしてきたのだから、これからは嫌なことはさせたくない」と考え、減量を断念。毛で余計に大きく見えるフアミのためにトリミングを施した。
「覚悟はしていたけれど、毛をすべて刈った姿を見た時は少しショックだった」と黄さんは振り返る。「毛を刈った後は、なぜダイエットをさせないのかと聞いてくる人がさらに増えた」とも明かした。
それでも黄さんの思いは揺るがない。「私にとって一番大切なのはフアミの幸せ。批判は控えてほしいし、心配してくれる人たちには感謝している」と語った。
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