50年前のインタビュー全容が初めて公開
ベトナム戦争反対運動を展開していた時期
「外出すると尾行され、隠れようともしない」

英国の伝説的ロックバンド、ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが、ニクソン政権による自身への盗聴を告発した50年前のインタビューが公開された。
英紙ガーディアンは8日、今回公開されたインタビューは、英国の著名なラジオDJ、ニッキー・ホーン(74)が1975年、レノンが住んでいた米ニューヨークの高級アパート「ダコタ・ハウス」で行われたと報じた。インタビューの一部はその年、キャピタル・ラジオで放送されたが、全容が明らかになったのは今回が初めてだ。ホーンは、レノンの誕生日(10月9日)の前日にあたる8日、未公開部分を含むインタビュー内容を公開した。当時インタビューを行ったホーンは「レノンとのインタビューは『重要な内容を伝えたい』という彼の要望で実現した」とし、「私のために自らクッキーを焼いてくれた彼の優しさは忘れられない」と語った。
ベトナム戦争反対運動を展開していたレノンは、当時「盗聴された通話と通常の通話の違いが分かる。電話に出るときのノイズが大きすぎる」と、盗聴されている苦痛を吐露した。さらに「アメリカ政府が様々な方法で嫌がらせをしている。ドアを開けて外に出ると、向かいの歩道に男が立っている」と述べ、「車に乗れば彼らも車で追跡し、隠れようともしない」と語った。レノンは盗聴の具体的証拠は示せなかったものの、自身が住むダコタ・ハウスの地下で頻繁に修理作業が行われていると明かした。
1971年に妻オノ・ヨーコと共に英国を離れニューヨークに移住したレノンは、積極的な平和運動を展開し、ニクソン政権にとって目の上のたんこぶのような存在となった。米中央情報局(CIA)は、レノンを国外追放するため、麻薬使用の疑いでの逮捕を企てたとされる。結局、レノンは40歳だった1980年、ダコタ・ハウス前でマーク・チャップマンに撃たれて死亡するまで、アメリカ市民権を取得できなかった。
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