中国当局「運転者の飲酒運転疑い」
中国のシャオミ製電気自動車で火災が発生し、運転者が死亡する事故が起きた。
このニュースが報道されると、今月13日の香港証券取引所において、シャオミの株価は一時8%台まで急落した。
澎湃（ほうはい）など中国メディアによれば、同日午前3時頃、中国の四川省成都（せいと）市のある道路で、シャオミの電気自動車モデルSU7の交通事故が発生した。当該車両は、横断歩道上で右折車両を避けようとハンドルを左に切った際に制御できなくなり、道路中央の分離帯に衝突、対向車線へ転落した。
衝突後、車両から火が発生したが、ドアが開かなかったため運転者の救助が困難であった。ソーシャルメディアに投稿された映像には、炎上する車両のドアを3〜4人の市民が引っ張り、拳で窓を割ろうとする様子が映されていたが、いずれも失敗に終わっていた。その後、駆けつけた消防隊員が火災を鎮火し、ハンマーと電動ノコギリを用いて車のドアを開けた。車内にいた31歳の男性運転者は命を落とした。
事故のニュースが報道されると、シャオミの株価はこの日の香港証券取引所で一時、前営業日比8.7%急落したが、終値では下落幅が5.71%に縮小し、49.08香港ドル（約959円）で取引を終えた。
中国当局は、運転者が速度超過で事故を起こし、その衝撃で車両から火が発生したと説明。中国成都公安局交通管理局は「検査の結果、事故車両の運転者には飲酒運転の疑いがあり、事故の経緯を調査中だ」と発表した。
事故車両モデルの「SU7」は、シャオミが昨年3月に発売した初の電気自動車モデルだ。SU7は今年3月にも死亡事故を起こしており、当時、安徽（あんき）省のある高速道路で自動運転モードで走行中だった車両がガードレールと衝突し、乗員3名全員が死亡した。
約7ヶ月ぶりに発生した人命事故により、シャオミ製電気自動車は安全性を巡る論争に巻き込まれた。ブルームバーグ通信は「この事故により、テスラが普及させたような電子式ドアハンドルの再検討が促される可能性がある」と伝えた。ブルームバーグによると、米国運輸省道路交通安全局（NHTSA）は先月、テスラモデルYのドアハンドルの一部について欠陥調査を開始し、中国当局も格納式ドアハンドルのデザインを禁止する方針を検討中であるという。
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