
アサヒグループホールディングス(GHD)は、サイバー攻撃の影響により決算発表を延期した。個人情報流出の可能性も排除していないと、日本経済新聞が15日に報じた。
アサヒグループHDは14日、当初11月12日に予定していた2025年1~9月期の決算発表を延期すると発表した。今回の攻撃により会計関連システムに障害が発生し、主要データへのアクセスが制限されたという。新たな発表日程は未定としている。
同社は「四半期末(9月末)から45日を超えて決算が公開される見込みだ」とし、「システム障害が業績に与える影響は現在調査中」と述べた。
アサヒ側は、サイバー攻撃により一部個人情報が流出した可能性があると公式に発表した。同社関係者は「今後の調査で情報流出が確認された場合には、速やかに公表し、関連法令に基づき適切に対応する」と述べた。
障害は9月29日午前7時頃、ランサムウェアへの感染により初めて確認された。10月7日夜には、「Qilin(キリン)」と名乗るハッカー集団がダークウェブ上で犯行声明を掲載した。
同集団は声明で「アサヒグループHD関連データ9,300件、約27ギガバイト分を奪取した」と主張した。
現在、同社は関連サーバーへのアクセスを遮断し、外部の専門家と共に被害範囲の特定を進めている。
アサヒグループHDは「今回の事案を極めて深刻に受け止めており、全社を挙げてセキュリティ対策の強化と再発防止策の策定に取り組んでいる」と述べた。
今回の事件は、日本の主要製造・食品大手企業を狙った連鎖的なランサムウェア攻撃の一例であり、国内企業全体のサイバーセキュリティ体制に警鐘を鳴らしているとみられる。
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