
肺がん研究に20年以上携わってきたロス・カミジ博士が、自身が3年間肺がんと闘っている事実を公表した。
9月23日(現地時間)、米国メディア「CBSコロラド」によると、アメリカ・コロラド大学医学部がんセンターで肺がん研究所を率いるカミジ博士(58)は、今月初めに、この事実を明らかにした。
カミジ博士は過去20年間で400本超える学術論文を発表し、肺がんの標的治療薬の開発と疾患進行メカニズムの研究に尽力してきた。この成果を基に、アメリカ40州と世界40カ国で数千人の肺がん患者の治療に貢献した。
しかし2022年、カミジ博士は喘鳴と肩の痛みで検査を受けた際、ステージ4の進行性肺がんと診断された。
カミジ博士は「運動中、呼吸の際に異常な音がした」と述べ、「ジムで何かおかしいと感じた」と最初の兆候を振り返った。肩の痛みも加わり、喘息を疑ってレントゲン検査を受けたが、結果は喘息ではなかった。
自身の胸部X線写真を見た彼は、一目で肺がんだと気づいたという。「レントゲン撮影後、オフィスに戻ってコンピュータで写真を開いた瞬間、『これは肺がんだ』と思った」と語った。翌日のCT検査で両肺と骨への浸潤が確認され、各種検査の結果、ステージ4の進行性の非小細胞肺がんと診断された。
カミジ博士は同僚のテハス・パティル博士に主治医を依頼し、分子標的薬の服用と化学療法を12週間行った後、放射線治療を続けた。翌年からは毎日薬を服用し、90日ごとに脳のスキャンや血液検査などの定期検診を受けた。また、治療が終わるたびに運動や芸術活動など新たな挑戦に取り組む「90日チャレンジ」を通じて過酷な治療を乗り越えた。最近、右胸郭後部の胸膜に新たながんの進行が確認されたが、彼は再び抗がん剤治療と放射線療法を継続している。
カミジ博士は、この事実を3年間、家族と一部の同僚以外には徹底的に秘密にしていた。しかし長年の研究経験を基に、がんが慢性疾患のように管理できることを一般に知らせるため、自身の症例を公表することを決意した。
「生涯研究してきた病気にかかることが悔しくないか」という質問に対し、カミジ博士は「むしろ、患者の立場を自ら体験できることを特権だと思っている」と述べ、「がんの診断が自分の価値の終わりを意味するわけではない。がんと人間の価値は決して相反するものではない」と語った。
現在もカミジ博士は研究現場で後進を育成し、患者を支援し続けていると伝えられている。
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