
自習時間中、教室でホラー映画を鑑賞した後、精神崩壊に陥った中国の学生が学校を相手に訴訟を提起し、一部勝訴したと、19日に香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じた。
事件は2023年10月、中国広西チワン族自治区南寧市横州市の学校で発生した。当日、担当教師が休暇中で自習になっていたが、生徒の一部が映画鑑賞を提案し、担任教師およびクラス全員の同意のもと、ホラー映画が選ばれた。
その日の夜、ある女子生徒が母親とSNSで会話中、発音が不明瞭になり混乱の兆候を示した。驚いた両親は、急遽娘を病院に連れて行った。病院において、生徒は「急性一過性精神病性障害」と診断された。この障害は、突然現実感を喪失する特徴があり、心理的ストレスが原因で発症する可能性があるとされる。
両親は、娘の精神状態の異常がホラー映画によって直接引き起こされたと考え、学校が適切な教育監督責任を怠ったとして、3万人民元(約63万5,232円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。
裁判において、学校側は生徒の精神崩壊は「特異体質」や「潜在する疾患」が原因であり、学校運営とは無関係であると主張した。また、すでに包括的な心理健康教育プログラムを実施しており、責任は10%のみ負担する意思を示した。
横州市人民法院は、生徒に精神疾患の既往歴や家族歴がないことに言及し、その上で、学校に30%の責任があると判断し、経済的損失に対する賠償として9,182人民元(約19万4,423円)の支払いを命じた。
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