
高市早苗首相が、家計の物価負担を軽減することを目的に、14兆円超の大規模な景気刺激策を検討しているという。
ロイター通信は22日、複数の日本政府関係者の話として「高市首相が物価高対策として、昨年の920億ドル(約14兆236億900万円)を上回る大規模な景気対策を準備している」と伝えた。今回の対策は、積極的な財政出動を重視する「アベノミクス」の継承者である高市首相にとって、就任後初の本格的な経済政策となる見通しである。ロイター通信は「高市首相が掲げる『責任ある積極財政』の姿勢を反映したもの」と分析している。
景気刺激策は「物価高対策」「成長産業への投資」「安全保障の強化」という三つの柱で構成される見通しである。高市政権は物価高対策の一環として、ガソリンにかかる暫定税率を早期に廃止する方向で検討している。これにより、燃料価格の負担軽減を図る考えだ。また、既存の賃上げ税制の恩恵を受けにくい中小企業への支援を拡充し、地方自治体への補助金も増やす方針だという。さらに、政府が重視する戦略的経済分野として、AIや半導体など成長産業への投資も盛り込まれるとされる。
現在、具体的な対策規模については調整中であり、早ければ来月にも正式に発表される見通しだ。財源は来年3月までの2025年度を対象とした補正予算で確保する方針だが、追加支出が当初計画を上回った場合、赤字国債の発行が避けられないとの見方も出ている。経済成長と財政健全化の両立が今後の課題となっている。
この報道を受け、午前中に軟調だった日経平均株価は午後に入って一時上昇に転じたものの、前日まで2日連続で過去最高値を更新した反動や利益確定の売りが出た影響で、前日比8.27円(0.02%)安の4万9,307.79円で取引を終えた。
一方、高市首相が積極財政を掲げる一方で、金利引き上げには慎重な姿勢を示していることから、日銀による利上げにブレーキがかかるとの観測も広がっている。高市首相は前日の就任会見で「日銀と政府が連携し、意思疎通を図ることが重要だ」と述べつつ「マクロ経済政策の最終的な責任は政府にある」として政府の役割を強調した。29日から30日に予定されている日銀の金融政策決定会合を前に、為替市場では円安が進み、円・ドル相場は一時1ドル151円台後半まで下落した。
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