
香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、中国軍が強襲揚陸艦「四川」で艦載機の「電磁カタパルト射出および着艦試験」を実施したと伝えている。26日、SCMPによれば、上海の滬東中華造船に停泊中の四川艦内で、電磁カタパルト発射システムが内陸側ではなく海側を向いている写真がSNSに流出したという。
上海海事局は今月20日から29日まで、該当造船所の埠頭前を立ち入り禁止区域と通知した。これにより、同新聞は、中国軍が最近四川艦で固定翼機の電磁カタパルト離陸試験を実施したと分析している。
強襲揚陸艦は大型の飛行甲板を有し、複数のヘリコプターが同時に着陸・離陸可能である。これらは「LHD」または「軽空母」とも呼ばれ、攻撃型無人機(ドローン)運用専用の空母と称されることもある。
戦闘機ではなくヘリコプター専用と分類される理由は、滑走路の長さに依存するためである。戦闘機の離陸には、最低でも1km以上の滑走路が必要だ。しかし、強襲揚陸艦である四川艦および福建艦は、全長が500m以下である。
四川艦は4万t級で、全長260m、幅52m程度、ステルスドローン「GJ-11」を搭載し、遠海で運用可能なドローン空母として知られている。四川艦は上陸用舟艇、水陸両用装甲車、ヘリコプターなどを搭載し、大規模な上陸作戦を支援できるため、台湾や南シナ海での作戦遂行に有用と評価されている。
これより大型の福建艦は8万t級で、全長316m、幅76m、ステルス戦闘機「J-35」や戦闘機「J-15」を搭載する。

これら2種類の空母では、戦闘機を離陸させるために特別な装置が必要となる。滑走路の長さが制限された空母で戦闘機を離陸させる方法は、大きく「カタパルト方式」と「スキージャンプ台方式」に分かれる。
カタパルト方式は、艦上から戦闘機を強力に押し出して飛ばすもので、スリングショットが小石を飛ばす様子に例えられる。一方、スキージャンプ台方式は、艦内に戦闘機用のスキージャンプ台を設置し、戦闘機がその台を利用して滑走し、飛び立つ仕組みである。戦闘機はスキージャンプ台で生成される揚力と運動エネルギーを得て離陸する。
カタパルト方式は、元々空気式、火薬式、油圧式で開発されたが、現在は蒸気式や電磁式が主に運用されている。蒸気式は1950年に英国で実用化され、今日においても米国やフランスの空母などで使用されている。しかし、蒸気式はエネルギー効率が低く、精密な制御が難しいという欠点があり、比較的軽量な飛行体の発射には不向きである。

最先端技術が集約された電磁式は、今後空母発射システムの中で最も注目される方式になるだろう。英国海軍のクイーン・エリザベス級航空母艦は当初、スキージャンプ台方式を検討していたが、電磁カタパルト方式へ転換する方針である。
電磁式技術は、米国が先行して導入し最上級の技術を有しているが、中国は独自に開発した技術で米国を追撃する様相を呈している。
このような中で、中国軍は必要に応じ、四川艦において電磁カタパルト方式で艦載機を運用する目的で発進試験を実施したと分析されている。電磁カタパルト離陸方式は、艦載機を迅速に離陸させる利点を有する。
中国の航空母艦である遼寧艦と山東艦はスキージャンプ台方式を採用しており、現在試験航海中の第3号空母福建艦は電磁カタパルト方式を採用している。米空母の中では、ジェラルド・R・フォード級航空母艦が同方式を使用している。
中国は、近年発展させた造船能力とIT技術を活用し、独自の技術で米国の先端空母と同等レベルの福建艦および四川艦を開発したと評価されている。














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