「核開発の資金源を断つ」
「不法行為には代償が伴う」
中露との経済的結びつきにも牽制か
ドナルド・トランプ米大統領が2期目に入り、初めて北朝鮮を対象とした国連制裁カードを切った。
最近、トランプ大統領は金正恩朝鮮労働党委員長に対し、相次いで対話を呼びかけていたが、中国やロシアとの結びつきを強める北朝鮮が反応を見せないことから、警告の意味を込めて「制裁強化」に踏み切ったとの見方が出ている。いわば「アメとムチ」のうち、ムチを選んだのである。
米国務省は3日(現地時間)の記者会見で、国連安全保障理事会の2017年決議第2371号に基づき、輸出が禁止されている北朝鮮産の石炭や鉄鉱石を中国へ運搬した7隻の船舶を新たに制裁対象とする方針を明らかにした。

国務省が船舶の自動識別システム(AIS)データなどを分析した結果、シエラレオネ船籍の「フライフリー(Flyfree)」号は、5月29日と31日の2回にわたり、北朝鮮沿海で北朝鮮籍の船舶「ティエントン」「シンピョン6」から石炭を洋上で積み替えたことが確認されたという。
このほか「カジオ(Casio)」、「マース(Mars)」、「カルティエ(Cartier)」、「ソフィア(Sofia)」、「アルマーニ(Armani)」、「イリ1(YiLi 1)」の計6隻も制裁要請リストに含まれている。
米国務省関係者は、「これらの船舶は北朝鮮の核開発野望を可能にする、物的支援手段だ」と指摘した。その上で「この制裁指定は、海運業界や保険会社、船籍登録国に対し、北朝鮮の違法な密輸行為に関与すれば代償を払うことになるという強いメッセージでもある」と語った。
さらに、米国は中国とロシアにも警告のメッセージを発している。
国連安保理の常任理事国である両国が異議を唱えれば制裁案が成立しない可能性があるが、同時に、北朝鮮と経済協力を強化する両国への牽制の意味も込められているとみられる。
特に金正恩氏の訪中以降、急速に回復しつつある北朝鮮と中国の経済的な結びつきを意識した動きだという。

関係者は「中国とロシアもこの制裁決議を作った当事者であり、他の加盟国と同様に履行義務を負っている」としたうえで、「これほど明確な証拠を示したうえで制裁対象を公開すれば、北朝鮮や中露がいま行っている活動を隠すことは難しくなる。それが実現すれば望ましい結果だ」と述べた。
また、今回の制裁推進が、トランプ大統領がアジア歴訪中に金委員長と会談できなかったことと関連しているのではないかとの質問に対しては、「この措置は春頃から検討し、数か月前から準備されてきた案件である。時期的な関連はない」と説明した。
制裁の実効性を問われると、この関係者は「違反行為があっても何の対応もなければ、制裁そのものの意味を失う。放置すれば北朝鮮の核・ミサイル開発は歯止めが利かず、さらに拡大していくだろう」と強調した。
            












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