
地方政府の債務が中国経済の導火線として浮上したため、中国政府は債務専門部署を新設し、地方債の発行を中央で一括管理することにした。地方政府が自主的に借金をする慣行を抑制し、中央政府が債務全般を直接管理する意図だ。過剰な債務が景気悪化や地域財政の不均衡に波及するのを防ぐ措置と見られる。
4日、中国経済メディア「財新」によると、中国財政部は前日、ホームページを通じて「債務管理司」の新設を発表したという。新部署は中央と地方の債務を統括し、国債・地方債の発行限度、償還管理、外債運営、隠れ債務の点検などを担当する。これまでは予算司・国庫司・金融司など複数の部署が分担していたが、今後は財政部が直接一括管理する。事実上、中央が地方政府の債務を実質的に管理する構造に変わるのだ。
これまで中国も地方債発行に中央の承認手続きを設けていたが、地方政府は投資会社を設立し、自主的に借金を増やしてきた。今回の改編は、この緩い承認制を中央が直接管理する体制に強化したものだ。中国は財政部が承認と限度設定をすべて直接担当する完全な中央集権型管理体制に移行した。
今回の措置は、中国共産党が示した「地方政府債務のリスク管理」の原則を制度化したものと解釈できる。先月開催された「中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議」では、「地方政府債務のリスクを積極的かつ安定的に解消する」という方針が明記された。中国の藍仏安財政部長は、先月の記者会見で「地方政府の債務を管理可能な範囲内で管理し、新たな隠れ債務を絶対に許可しない」と述べた。
財新によると、昨年末時点で中国政府の全債務は92兆6,000億元(約1,992兆2,530億円)に達するという。このうち国債が34兆6,000億元(約744兆4,056億円)、地方政府債務が47兆5,000億元(約1,021兆9,441億円)、隠れ債務が10兆5,000億元(約225兆9,034億円)で、国内総生産(GDP)に対する債務比率は68.7%だ。
債務管理司の最初の課題は、2027年6月までに地方政府の隠れ債務を整理し、収益性の低い公共投資会社を段階的に再編することだ。財政部は短期・高金利債務を長期・低金利債券に転換する「債務構造調整プログラム」を推進中で、債務管理司がこの過程を常時監督する。
経済観察報は「地方政府の債務発行と償還が財政部の直接監督体制に組み込まれた」とし、「管理効率は向上するが、地方政府の財政自主性は低下するだろう」と分析した。















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