トランプ米政権は、日本など同盟国にこれまで提供していた「武器開発費免除」特典を廃止することを決定した。これにより、米国製の武器を輸入するたびに巨額の追加費用を負担することになる。日本のみならず、韓国やオーストラリア、NATO(北大西洋条約機構)を含む主要同盟国全体が対象となる。
この措置により政府間契約である「対外有償軍事販売(FMS)」方式で適用されてきた「非反復費用(Non-Recurring Costs・NC)」の免除特典が撤廃される。
FMSは、米政府が同盟国政府に直接武器を販売する方式で、品質や契約履行が保証される。NCは、このFMS過程で発生する「一度きりの費用」を指す。特定の武器システムを開発し、生産ラインを構築する際にかかる初期研究開発(R&D)費、設計費、試作品制作費、試験評価費などがこれに該当する。

米国の武器輸出管理法(Arms Export Control Act・AECA)は、米国防総省がNCを回収することを規定している。FMS方式で武器を販売する際、購入国にNCの一部を請求する形だ。これは、武器開発に投入された「米国納税者の税金」を外国に補填してもらうという考えに基づくもので、法的には費用請求が原則となる。
しかし、米国防総省はこれまで裁量権を行使してきた。特定の同盟国や友好国には「戦略的理由」を名目にNCを免除してきたのだ。同盟国と米軍の武器を統一し、相互運用性を高めるほか、欧州など第三国との激しい武器受注競争で価格競争力を維持するための措置だった。米国の軍事専門メディアDefense Newsは、過去に「NC免除は、米国が同盟国に武器を販売する際、競合国を出し抜き、米軍との装備標準化を実現するための重要な手段だ」と分析している。
この特別待遇が終了することで、防衛費負担は即座に増大する見込みだ。情報筋によると、NC免除による節約額は通常、購入総額の約5%に相当するとされる。
この政策変更は、トランプ大統領の強固な「取引型同盟観」が反映された結果とみられる。トランプ大統領は、同盟国が米国の安全保障の恩恵を受けつつ、対米貿易で過度な黒字を長期間維持してきたと認識しており、同盟国にも正当に費用を負担させるべきだという「負担共有」の論理が、今回のNC免除廃止につながった。
今回のNC免除廃止の通知は日本だけに限らず、韓国やオーストラリアなどインド太平洋の主要同盟国、さらにNATO加盟国にも同様に伝えられたとされる。これにより、米国の同盟国全体にわたって防衛費負担の圧力が強まることが予想される。















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