
米国で、長期間にわたり便秘が放置され、腸閉塞を発症した40代の男性が死亡した。遺族側は、体調悪化の兆候が看過されたとして、男性が生活していた障害者居住施設を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こした。
18日(現地時間)、英紙『インディペンデント』の報道によれば、米オハイオ州バゼッタ・タウンシップの障害者居住施設で生活していたジェームズ・スチュワート氏(40歳)が2024年11月15日に死亡した。
スチュワート氏は知的・発達障害があり、支援を要する状態であった。また、慢性的な便秘があり、消化器系の副作用が指摘される薬剤を服用していたとされる。
遺族側は、スチュワート氏が死亡の数週間前から排便障害による腹痛や腹部膨満、無気力を訴えていたにもかかわらず、施設職員が適切な対応を取らなかったとしている。訴状では、施設側が健康状態を適切に把握せず、痛みや便秘の訴えを放置したまま、容体悪化の過程で医療関係者や家族に連絡しなかったと主張されている。
事件当日、施設職員の一人がスチュワート氏をトイレに案内したが、排便は確認されず、その後、室内で倒れているのが発見された。現地当局によると、腹部は著しく膨張し、皮膚に変色がみられ、触知で硬化していたという。スチュワート氏は病院に搬送されたが、その後、死亡が確認された。
腸内圧の上昇により、空気が腸壁から漏出して腹腔内にたまり、臓器を圧迫する「緊張性気腹症」を発症し、死亡に至ったとみられている。遺族側代理人は、患者ごとの注意事項を適切に把握し、必要な対応を行っていれば回避できた事案だと主張している。














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