
中国が3日、初の再使用ロケットである「朱雀3号」を発射し、軌道への投入に成功したものの、1段推進体の回収には失敗したとサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じた。Newsisの報道によると、民間宇宙企業「ランドスペース」が設計した再使用ロケット朱雀3号は、同日正午に甘粛省の「酒泉衛星発射センター」から打ち上げられたという。
SCMPによると、1段推進体は地球低軌道に到達後、目標回収地点付近に落下する直前に空中で発火したように見えたという。ランドスペースは10月、酒泉で朱雀3号の燃料供給リハーサルとエンジン始動を完了し、発射準備に入ったと発表していた。朱雀3号の打ち上げは11月初めに起きた宇宙ステーション「天宮」の破片事故を受けて延期されていた。
朱雀3号は高さ66m、幅4.5mでステンレス鋼製だ。1段ロケットには9基の「天鵲-12A」エンジンを搭載し、最低20回の再使用が可能な設計になっている。再使用モードで、朱雀3号は18トン(約18個の衛星に相当)の積載が可能で、中国が計画する大規模衛星群の構築に貢献すると見込まれている。
スペースXのイーロン・マスクCEOは先月、ソーシャル・メディアを通じて朱雀3号が複数の重要指標で「ファルコン9」を上回ったと明かしつつ、「運が良ければ5年以内にファルコンより性能が上回るかもしれない」と付け加えた。酒泉衛星発射センターでは、国有衛星の「長征12号A」、スペースパイオニアの「天龍3号」も打ち上げを待機している。
再使用可能ロケット技術は、マスクCEOのスペースXが2015年にファルコン9で軌道任務を遂行し、世界初のロケット着陸に成功したのが始まりだ。アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業「ブルーオリジン」も13日、火星軌道衛星「ESCAPADE」搭載の大型宇宙ロケット「ニューグレン」を打ち上げ、再使用のためのロケット回収に成功した。
朱雀3号の1段推進体回収失敗により、中国が米国に続いて2番目に再使用ロケットを回収する目標は当面先送りとなった。















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