
日本を訪れた一部の中国人観光客が、パスポートを台湾や日本のものに見せかけていると、4日付の日本のニッカンスポーツが台湾メディア「自由時報」を引用して伝えた。高市早苗首相が「台湾有事への関与の可能性」に言及したあと、中国と日本の対立が激しくなっていることが背景にあるとみられる。
報道によると、ある中国人観光客は最近、台湾パスポート風デザインのカバーを中国パスポートにかぶせた状態で日本を旅行したことをSNSで明かした。
この観光客は「中華民国(台湾)」と書かれた緑色のパスポートカバーを購入し、中国パスポートに装着した写真を投稿した上で、「このほうが旅がしやすかった」と主張している。
自由時報は「高市首相の発言以降、日中関係が再び冷え込み、両国の国民感情も悪化している」と指摘し、「中国人観光客は日本で不利益を受けることを懸念し、『台湾パスポートカバー』を使ったとみられる」と報じた。
この投稿は日本在住の台湾人がSNS上で共有したことで一気に拡散した。その後、台湾のネット上では「中国人は台湾人のふりをするな」と反発する声が相次ぎ、「中国人であることが恥ずかしいのか」、「自分を慰めているだけだ」といった冷ややかなコメントも見られた。
自由時報はあわせて、韓国ではこれとは逆の現象が起きていると紹介した。
最近、韓国で反中感情が高まるなか、台湾人観光客の一部は中国人と誤解されるのを避けるため、「I’m Taiwanese(私は台湾人)」と書かれたバッジを身に着けているという。実際に、台湾人観光客が10月にSNSへそのバッジを撮影した写真を投稿し、「着けたほうがいいか」と助言を求めたケースもあった。
一方、高市首相は先月7日、日本の現職首相として初めて台湾有事への関与の可能性に言及し、台湾有事を日本が集団的自衛権を行使しうる「存立危機事態」に当たるとの認識を示した。
高市首相はこの発言の撤回を求める中国側の要求にも応じず、その後、日中間の対立は一層先鋭化している。
中国外交部など関係当局は、自国民に対し日本への旅行や留学を控えるよう相次いで勧告し、日本行き航空便の運休や旅行予約のキャンセルが続いている。
現在、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空など中国系航空各社は、日本路線に限って手数料なしでのキャンセルに応じている。
こうした影響で、中国人観光客の行き先は韓国へとシフトし始めている。韓国は先月15~16日、中国のオンライン旅行プラットフォーム「Qunar」の国際線航空券予約ランキングで、日本を抜いて1位となった。















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