ウクライナ – ロシアの停戦案が停滞…接点のない「50km要塞ベルト」が争点に
ISW「プーチン大統領、戦争初期の目標を堅持…ドンバス・軍縮・領土認定なしには妥協せず」

アメリカとロシアがウクライナの停戦案を巡って再び対面したが、核心争点である領土問題で接点を見出せず、議論が再び停滞した。ロシアがドンバス(ドネツク・ルハンスク)全域を要求すると、ウクライナは戦略的要衝である「要塞ベルト(約50km)」を譲れないと強く反発したためだ。
2日(現地時間)、スティーブ・ウィトコフ米特使とウラジーミル・プーチン露大統領の協議は具体的内容を公開しないことにしたが、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「領土問題で両者の意見の相違が明確に表れた」と伝えた。
現在、ロシアはルハンスク州全域を掌握しているが、ドネツク州の約20%は確保できていない。この残りの20%がまさにウクライナが2014年以降10年以上防衛線を構築してきた「要塞ベルト」だ。北部スロビャンスクとクラマトルスクから南のドルジュキウカ・コンスタンチノフカまで続く約50km区間で、ウクライナ軍がロシアの侵攻を耐え抜いた最後の防衛線となっている。
ウクライナは、この地域を失えばロシアが将来的に再侵攻する「直通ルート」を開くことになると見ている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「ドンバスの譲歩は不可能だ」と繰り返し主張してきた背景には、この戦略的重要性がある。
一方、プーチン大統領はドンバス全域の撤退を継続的に要求し、譲歩の余地を見せていない。アメリカ国務省のマルコ・ルビオ長官も「ロシアが集中的に要求しているのはドネツクの残り20%と要塞ベルトだ」と評価した。
プーチン大統領の補佐官ユーリ・ウシャコフ氏も「領土問題が解決されなければ停戦合意はない」と断言した。アメリカNBCとのインタビューでロシア当局者は「譲歩できない3つの原則は、ドンバス・ウクライナ軍縮・西側の領土認定だ」と明かした。
アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)は、ロシアの要求が戦争初期の目標と同じだと分析した。ISWは、報告書で「プーチン大統領は、ドネツク・ルハンスクの併合とウクライナ軍の戦力制限という当初の目標から一歩も後退していない」とし「アメリカとウクライナが提示する妥協案を受け入れる可能性は非常に低い」と評価した。
西側では、ロシアがアメリカの仲介案を一部受け入れたという主張も「戦術的なジェスチャー」に過ぎないという見方が優勢だ。核心争点である占領地処理問題で実質的な変化がないためだ。
結局今回の議論もドンバスと要塞ベルト、ウクライナ軍縮要求など既存の対立軸を脱することができず、再び停滞状態に陥ったとの評価が出ている。














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