
2026年の中間選挙を控え、生活費と物価の上昇が深刻な政治課題として浮上する中、ホワイトハウス内部では、ドナルド・トランプ大統領と政権の経済メッセージを「物価対策」に軸足を移すべきだとの声が強まっている。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は現地時間6日、トランプ大統領が側近らから「有権者の最大の不満は生活費と物価であり、経済に関するメッセージの修正が必要だ」との報告を継続的に受けていると報じている。先月実施された地方選挙で共和党が敗北した背景にも、生活費高騰に苦しむ有権者が、政権と与党への不満から民主党に票を投じた実態があったという。
ただ、トランプ大統領自身は、こうした分析に全面的には同意していないとされる。最近のホワイトハウス会合では、「『生活費負担』という言葉は民主党の詐術だ」と発言し、同表現自体がトランプ政権の経済実績を覆い隠すための戦略だとの認識を示した。
一方で、トランプ大統領は近ごろ、物価安定に向けた取り組みを前面に打ち出し始めている。コーヒーやバナナなど食料品関連の関税を引き下げたほか、食品メーカーによる価格カルテル疑惑を調査するため、農務省や司法省など複数の連邦機関が参加するタスクフォース(TF)の設置を命じる大統領令にも署名した。独占・寡占行為を取り締まり、消費者により低価格で食料品を供給する狙いと説明されている。さらに、来年初めから全米を巡回し、経済をテーマとした演説を行う構想も検討しているという。
スコット・ベセント財務長官は現地時間7日、「CBS」のインタビューで「今年は実質国内総生産(GDP)成長率3パーセントで締めくくられる見通しで、経済は想定以上に好調であった」と強調した。その上で「インフレ対応に引き続き注力する。来年にはインフレが大きく低下すると予想している」と述べた。
さらに、「現在のインフレ要因はサービス経済にあり、関税とは事実上関係がない」との見解も示しており、トランプ政権の経済運営に対する批判を積極的に防御する姿勢を示した。こうした発言は、政権内部で広がる「物価不安を抑える方向へのメッセージ修正」と歩調を合わせるものと受け止められている。














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