上野動物園の最後の2頭を中国に返還
1972年の国交樹立以来初のパンダ不在へ

日本に残る最後のパンダ2頭が、来年1月下旬に中国へ返還されることになり、日本国内からパンダが姿を消すのは約50年ぶりとなる見通しだ。
15日『朝日新聞』は上野動物園のジャイアントパンダの双子、オスの「シャオシャオ(暁暁)」とメスの「レイレイ(蕾蕾)」が来月下旬に中国へ返還されると報じた。来年2月20日の返還期限を前に中国側に期限延長や新たなパンダの貸出を求めたが、期限より1か月早く返還することになった。
「シャオシャオ」と「レイレイ」は2021年に上野動物園で誕生した。この双子は和歌山県のアドベンチャーワールドが飼育していた4頭を昨年6月に一斉返還した後、日本に残った最後のパンダだった。「朝日新聞」によると「新規貸出がなければ2頭のパンダが返還されると、1972年以降初めて日本からパンダがいなくなる」という。
昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事への介入」を示唆する発言以降、日中対立が深まり、新規貸出は困難との見方が強まっている。中国は日本への渡航・留学自粛令、限日令を出し、日本産水産物の輸入も禁止するなど制裁を強化している。
パンダは日中国交正常化した1972年に初めて日本に来た。それ以来、30頭以上が中国から貸し出されたり、日本で誕生したりした。1984年のワシントン条約でパンダが「最も絶滅の危険性が高い生物」に分類され、商業目的の国際取引が禁止された。日本で生まれたパンダも所有権は中国にある。
中国は世界で自国にしか生息しないジャイアントパンダを友好国に贈る「パンダ外交」を展開してきた。5日、習近平国家主席が中国を国賓訪問したフランスのエマニュエル・マクロン大統領と四川省成都での会談前日、中国野生動物保護協会は2027年に新たなジャイアントパンダをフランスに貸し出すと発表した。














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