
「2001年のアフガニスタン、2003年のイラク戦争の時のように、ドナルド・トランプ政権が戦争のための追加予算を議会に要請すれば、それ自体が反戦世論に直面することになる。」
米国の外交安全保障専門シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)は、最近発表した米国によるイラン空爆の関連コストを分析した報告書でこのように指摘した。
米国は先月28日(現地時間)から、イランの核・ミサイル関連施設を中心に各種軍事インフラへの精密兵器による集中攻撃を続けている。イランが中東の米軍基地や周辺の親米諸国に向けてドローンやミサイルを大量発射するのを、高度な防空兵器で迎撃する対応も行っている。
攻撃・防衛の双方において高価な最先端精密兵器が事実上総動員されたとされる今回の戦争が、米国に莫大な戦費負担をもたらしているとの分析が出ている。
対イラン戦争、米経済に最大2100億ドル(約33兆5,290億円)の負担も

米国は開戦直後、米空軍の中核資産とされる「戦略爆撃機3機種」B-1(通称「死の白鳥」)、B-2(「沈黙の暗殺者」)、B-52(「空飛ぶ要塞」)をすべて投入した。さらに、AGM-154滑空爆弾(1発・約83万6,000ドル(約1億3,350万円))やパトリオット防空ミサイル(1基・400万ドル(約6億3,860万円))なども大規模に使用した。こうした状況から、コスト負担への懸念が急速に高まっている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)などの報道によれば、莫大な戦費負担を受け、米軍は今後の作戦でより積極的に「コスト効率重視の戦略」を採用する方針だ。たとえば、1発あたり約1,000ドル(約15万9,650円)と比較的安価な統合精密直撃弾(JDAM)の使用を増やすとされる。尚志大学軍事学科のチェ・ギイル教授は「当初、米国が短期間での確実な決着を目指して高価な精密兵器を大量投入したうえ、予想を上回るイランの報復攻撃の激しさから、序盤の作戦コストが大幅に膨らんだとみられる」と述べた。
今後の戦費が急増し、米経済に最大2,100億ドル(約33兆5,290億円)の負担をもたらす可能性があるとの試算も浮上している。2日、米経済誌フォーチュンはペンシルベニア大学の「ペン・ウォートン予算モデル(PWBM)」を率いるケント・スメッタース所長の分析を引用し、対イラン戦争の総コストが最大2,100億ドル(約33兆5,290億円)に達する可能性があると報じた。これはトランプ政権が昨年1年間で徴収した相互関税収入(1,950億ドル(約31兆1,320億円))を上回る規模だ。トランプ政権が世界各国の輸入品に課した相互関税が連邦最高裁の違法判決によって効力を失うなか、天文学的な規模の戦費の請求書を受け取ることになったとの指摘も出ている。
過去のイラク戦争などでの犠牲に伴うトラウマ、政界も難色
莫大な戦費に加え、兵器の備蓄不足も米国の足かせとなっている。これは低コストドローンなどを前面に出したイランの報復攻撃を阻止するため、米国が高価な防空ミサイルを大量投入した結果だ。これを受けてトランプ大統領は6日、「米国の防衛産業企業と『最高級(Exquisite class)』兵器の生産を4倍に増やすことで合意した」と表明した。米防衛大手ロッキード・マーティンも「PAC-3ミサイルの生産量を年間600基から2030年までに2,000基へ引き上げる」と発表した。ただし、こうした動きがあっても、当面必要なミサイル需要を短期間で満たせるかどうかは不透明だ。
戦費の拡大に伴い、米国の政界でも論争が激化している。野党・民主党はもちろん、与党・共和党内でも、トランプ政権が近く500億ドル(約7兆9,810億円)規模の追加戦費承認を求める可能性があるとして、難色を示す空気が広がっている。NYTによれば、共和党の内外では、開戦当初から国民の支持が低い対イラン戦争に「白紙委任」を渡すことはできないとの声が上がっている。
これについて、米政界に根深い「中東戦争トラウマ」が再び表面化しているとの指摘もある。アフガニスタンとイラクの戦争で経験した多大な米軍の犠牲とコストを、改めて意識せざるを得ないというわけだ。
特に米国の保守派内でも「第二のイラク戦争の泥沼」が再現されかねないとの懸念が高まっている。共和党のシェリー・ムーア・キャピトー上院議員は「米軍に死傷者が出るたびに、状況は非常に厳しくなる。これは2000年代初頭に我々が経験した(イラク戦争の)デジャブのようだ」と指摘した。













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