
ドナルド・トランプ米大統領が、再び極限の緊張状態から間一髪で矛を収めた。市場のトレーダーたちは「TACO(タコ)・チューズデー」と称されるこの機を逃さず、利益確定に向けた攻勢に出た。
7日(日本時間8日)午前、トランプ大統領は最後通告の期限まで残り2時間という瀬戸際で「今夜、一つの文明が滅びる」と恫喝とも取れる警告を発した。しかし、その直後には、イラン側によるホルムズ海峡の再開放と石油供給の再開を条件に「2週間の停戦」を発表した。合意の実効性や供給の安定性には依然として疑問符がつくものの、大統領の劇的な方針転換は、冷え込んでいた市場を反転させるには十分すぎる材料となった。
中東情勢の緊迫化で数週間にわたる不安定な推移を強いられていた市場には、時価総額にして1兆5,000億ドル(約232兆5,000億円)規模の力強いラリーが到来し、主要3指数は軒並み急伸した。原油先物価格が16%暴落し、1バレル=100ドル(約1万5,500円)の大台を割り込む一方で株価は急反騰。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数が3.55%上昇して相場を牽引し、S&P500種株価指数は2.7%、ダウ工業株30種平均は1,200ドル(2.6%)高を記録した。今回の急伸により、2月末の対イラン軍事衝突以降に蓄積された下落幅をほぼ解消する格好となった。
SNS上の個人投資家たちは、以前から囁かれていた投資戦略「TACOトレード(Trump Always Cops Out:トランプは常に腰砕けになる)」が再び的中したと狂喜した。投資フォーラム「SmallStreetBets」のユーザーは「トランプ氏がTACOトレードに走るのは、生命維持のために水を飲むのと同じくらい当然の帰結だ」と皮肉を交えた。
金融アナリストらも、慎重な見方を示しつつも個人投資家の捉え方におおむね同調している。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は「イランリスクが払拭されれば、ハイテク株に爆発的なブームが再来する可能性がある」と指摘。「先月のボラティリティは、結果として絶好の『買い場』を提供した」と分析した。同氏は、地政学的懸念が「マグニフィセント・セブン」やAI関連銘柄を過度な売られすぎの状態に追い込んでいたと付け加えた。
「TACOトレード」の呼称は昨年、トランプ大統領が広範な関税導入をぶち上げた直後にそれを撤回した際に定着した。当時、S&P500は一時20%近く暴落したが、大統領の翻意によりV字回復を見せた。個人投資家たちはこの行動パターンを学習し、相場急落局面で果敢に買い向かうことで巨額の利益を手にしてきた。
もっとも、専門家らは「TACOトレード」の不確実性に警鐘を鳴らす。グレンミード・インベストメント・マネジメントのマイケル・レイノルズ副社長は「過去のパターンに基づいた予測は合理的だが、盲信は禁物だ」と釘を刺した。大統領の発言がいつか不退転の行動へと繋がった際、パターンを信じ切っていた投資家は手痛いしっぺ返しを食らうリスクを孕んでいる。















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