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「史上最大の攻撃も辞さず」トランプ強気発言の裏で…戦争再開できない現実

梶原圭介 アクセス  

引用:ニューシス
引用:ニューシス

ドナルド・トランプ米大統領は、イランとの終戦交渉を前に、中東に展開している米軍戦力を維持する方針を明らかにした。一方で、戦争継続に伴う政治的・経済的負担を踏まえれば、トランプ大統領が自ら交渉を決裂させ、戦闘再開に踏み切るのは容易ではないとの見方も出ている。

トランプ大統領は8日(現地時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランが「真の合意」を完全に履行するまで、米国のすべての艦船や航空機、兵力を現行の配置にとどめると表明した。その上で、「何らかの理由で合意が履行されない場合、これまでに例のない、より大規模で強力な攻撃が開始される」と警告し、「米軍は再編成と休養を終え、次の作戦に備えて待機している」と強調した。

先月末時点で中東に展開する米軍の兵力は、平時より約1万人多いおよそ5万人規模とされ、イランが米国の終戦要求を受け入れるまで、この態勢を維持する方針だという。

ウラン濃縮やレバノン戦線、ホルムズ海峡の通航を巡る問題など主要な争点で隔たりが大きい中、両国が2週間以内にいわゆる「ビッグディール」に至る可能性は低いとの見方が強く、今回の発言は交渉決裂時の戦闘再開をにらんだものだとの解釈も出ている。

一方で、トランプ大統領が、戦闘再開に伴う政治的・経済的な打撃を覚悟してイランへの再攻撃に踏み切るのは容易ではないとの見方も少なくない。そのため、仮に2週間以内に交渉が妥結しない場合でも、戦闘再開ではなく、交渉期限の延長を選択する可能性が高いとみられている。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、トランプ大統領が、2週間の停戦期間終了までに核心的な争点で最終合意に至らない場合、軍事行動の再開に伴うリスクが大きいことを認識しているとの見方を示した。

ブルッキングス研究所のイラン専門家であるスザンヌ・マロニー 副所長も、「両国は、互いに深刻な打撃を受けかねない状況にあり、停戦が延長される可能性がある」と指摘した。「米国は軍事作戦を再開することは可能だが、イランもホルムズ海峡を脅かすことで、原油価格や肥料価格に即座に影響を及ぼし得る。大統領はこうした点に極めて敏感だ」と分析した。

破局寸前で停戦が成立し、株式市場が約1か月ぶりに反発、国際原油価格も1バレル=100ドル(約1万5,900円)を下回る水準まで低下している。こうした状況の中、中間選挙を控えるトランプ大統領が戦闘再開に踏み切る理由はないとの見方が出ている。さらに、この流れを維持するためには停戦の延長が不可避だとする分析もある。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、「米国民は水曜日(8日)朝の株式市場の急騰でやや豊かになった」としながらも、「2週間の停戦は米国経済にとって好材料だが、直ちに正常化するのは難しい。ガソリン価格は急速に上昇する一方、下落は緩やかだ」との見方を示した。

政治面での懸念も残る。トランプ大統領は、米国やイスラエルよりも大きな被害を受けた湾岸地域の同盟国に配慮する必要があるほか、公然と反発を強めている「MAGA(米国を再び偉大に)」陣営の支持離れや、共和党内の不満にも目を向けざるを得ない状況にある。さらに、来月に予定される中国の習近平国家主席との首脳会談を控え、中国側の終戦要求を無視できないとの見方もある。トランプ大統領は、中国が停戦実現に重要な役割を果たしたことを異例にも認めている。

ホワイトハウスは、米国側からJ・D・ヴァンス副大統領、スティーブ・ウィトコフ中東担当特使、そしてジャレッド・クシュナー氏が11日、イスラマバードでイランとの対面交渉に臨む予定だと明らかにした。

一方、イラン側では、モハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長がアッバース・アラーグチー外相とともに出席する見通しが出ている。ただ、タスニム通信は、ガリバフ議長の出席は現時点で確定していないと報じている。

両国は、イランのウラン濃縮やホルムズ海峡の通航管理、対イラン制裁の緩和、さらにヒズボラなどイランの代理勢力を巡る問題といった主要な争点について協議する見通しだ。

ただ、これらすべての争点を2週間以内に一括して解決するのは難しいとの見方が強く、一部の案件で合意したうえで交渉期限を延長する可能性が指摘されている。もっとも、トランプ大統領の予測しにくい判断や、イスラエルの対応次第では、全面戦争が再会される可能性もある。

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