火星で捉えられた「浴槽の縁」…巨大な海の痕跡か
火星にかつて惑星表面の3分の1を覆うほどの巨大な海が存在した可能性を示す研究結果が発表され、注目を集めている。
Space.com、CNNなどの海外メディアは、この研究が15日に国際学術誌『Nature』に掲載されたと報じた。
研究によると、数十億年前に火星の海水が蒸発する過程で、海岸線に沿って平坦な帯状の地形が形成されたという。この痕跡は、水を抜いた浴槽の内部に残る輪のような形状に似ていると説明されている。

研究チームはこの地形を、地球の大陸棚に類似した「沿岸大陸棚(coastal shelf)」と呼び、直接観測で確認されれば、長年にわたる火星の海の存在をめぐる議論に決定的な手がかりをもたらすとしている。
現在までに、乾燥した川の流域や三角州、湖底などの地形が火星にかつて水が存在していた証拠とされてきたが、巨大な海があったかどうかについては見解が分かれている。
今回の研究の責任著者であるカルフォルニア工科大学のマイケル・ラム教授は、「根本的な問いは『火星に海があり、それが干上がった場合、どのような痕跡が残るのか』という点だ」と指摘した上で、「我々が確認したのは海岸線に沿って形成された平坦なベンチ状の帯で、地球の大陸棚に類似した特徴を持つ」と説明した。
研究チームはコンピュータシミュレーションを通じて、火星に海が存在した場合に残る地質学的痕跡を分析し、海面の変動や時間の経過にもかかわらず、大陸棚が最も明確に保存される地形だという結論を導き出した。

続いて、軌道衛星が撮影した火星表面のデータを分析した結果、北半球の約3分の1を覆っていたと推定される平坦な地帯が発見された。この地域は過去の海面より約1,800〜3,800m低い位置に形成されていたとみられる。
大規模な大陸棚は形成に長い時間を要するため、一般的な湖環境ではみられない地形だ。研究チームは今回の発見が、火星の海が数百万年以上安定して存在していたことを示唆していると強調した。
論文の主著者であるテキサス大学オースティン校の研究員アブダラ・ザキ氏は、「大陸棚の存在可能性は火星の海の実在を裏付ける新たな証拠だ。長期間持続した巨大な水域は生命が存在するうえで重要な環境だった可能性がある」と語った。
さらに研究チームは、川が海に流れ込む際に形成される「三角州」と呼ばれる三角形の堆積地形が、大陸棚と並んで分布した痕跡も確認した。これは地球でも同様に見られる特徴の一つだ。
今後の探査ミッションを通じて、この大陸棚地域を直接分析できることが期待されている。研究チームは、かつて火星に生命が存在していた場合、地球の沿岸堆積層で化石が保存されるのと同様に、この地域でも生命の痕跡が見つかるかもしれないとしている。













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