
中国が台湾東部の海底地図の作成を進めており、その狙いに注目が集まっている。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は11日、専門家の見方として、海域や海底地形に関するデータの蓄積は、潜水艦や対潜水艦作戦の能力向上を見据えたものだと報じた。
中国国営の新華社によると、中国交通運輸部は6日から10日にかけて、台湾東部海域で「特別海上交通取締・調査作戦」を実施した。この作戦には4隻の船舶が投入された。このうち、中国最大級かつ最先端の海洋・遠洋調査船「海巡08」は、5日間にわたる調査で1,025海里に及ぶ海域を航行し、海底地形の測量や海底地図の作成を進めた。
中国中央テレビ(CCTV)傘下のSNSアカウント「玉淵譚天」は10日、中国が台湾東部海域で水路測量を実施したのは今回が初めてで、不十分だった既存の海図データを補完することが目的だと説明した。
専門家らは、こうした動きについて、中国が同海域での影響力や管理能力の強化を図る狙いがあると分析している。また、日本や米国、フィリピンによるこの地域への軍事展開をけん制する意図もあるとの見方を示している。
中国による今回の「法執行」活動は、日本とフィリピンが先月28日、台湾東方の西太平洋海域における海洋境界線や排他的経済水域(EEZ)の画定に向けた公式協議を開始したことへの対抗措置との見方が出ている。中国は「一つの中国」原則に基づき、台湾は中国領であり、その東部海域も中国の管轄下にあるとの立場を示している。
これに対し台湾は、「法執行を装った露骨な拡張主義的行為だ」と反発し、「台湾のEEZ内を航行する外国商船にまで圧力をかけることで、中国に管轄権があるとの誤った印象を与え、地域の緊張を著しく高めている」と批判した。
8日にはマニラで第2回日米比海洋協議も開催された。米国務省は、3か国が海洋分野および安全保障協力の深化に取り組んでおり、対外援助における3国間協力のほか、共同作戦や共同訓練、能力強化計画などがその柱になると説明した。
北京連合大学台湾研究院の朱松嶺教授は、「この海域はこれまで比較的平穏で、中国も特段の関心を示さず、定期的な巡視も行ってこなかった」と指摘した。その上で、「中国当局は日本とフィリピンによる海洋境界に関する協議を危険な動きと受け止めている」と述べた。
朱教授は、「こうした動きは、海洋境界をめぐる議論を利用して法的根拠を積み上げる手法であり危険だ。『海域の共同管理』を名目に現地の主導権を握ろうとするだろう」と主張した。さらに、「航行の自由や海上安全保障、集団防衛を掲げて軍事的なプレゼンスを拡大していく可能性がある」とし、「中国が台湾東部海域で法執行活動を強化している背景には、日米比3カ国による連携の進展をけん制する狙いがある」と説明した。
シンガポール国立大学政治学科の庄嘉穎准教授は、これとは異なる見方を示した。庄准教授は、「潜水艦および対潜水艦作戦をより効果的に行うことにつながる可能性がある」と指摘した。
また、「玉淵譚天」は、中国がこの海域について、海運や漁業活動のほか、海底資源の採掘や科学調査、環境保護など幅広い分野で関与できると伝えた。
朱教授は、「こうした活動はいずれもEEZに関わる権利に含まれる」と説明し、「これまで十分に活用されてこなかった海域を他国が利用しようと動き始めており、中国もまたこの海域の開発に乗り出そうとしている」との認識を示した。














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