メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「世界の破滅を決定する機械」…ソ連が遺した恐怖の核自動発射システム「デッドハンド」の衝撃

竹内智子 アクセス  

人類は石器時代から核兵器を持つに至るまで技術を進化させてきたが、その中で核兵器ほど恐ろしく、圧倒的な破壊力を持つ兵器はない。そして現在、その恐怖をさらに極限まで高める存在として注目されるのが、自動で核兵器を発射する「終末の日の機械(ドゥームズデイ・マシン)」だ。

米ソ冷戦期、世界は「相互確証破壊(MAD)」という概念により、核兵器が戦争の抑止力となる時代を迎えた。しかし、実際に核攻撃を受けて軍の指揮中枢が破壊された場合、報復が不可能になるというリスクが浮上した。そのため、1980年代のソ連は、人間の判断を介さず核攻撃を感知すると自動で報復ミサイルを発射するシステム「ペリメーター(通称:デッドハンド)」を構築した。

このデッドハンドは、地震や爆発、放射能などの環境変化をセンサーで検知し、軍の中枢との通信が途絶すると自動的に核ミサイルを発射する。つまり、人間がいなくても機械が「世界を終わらせる」命令を下せる仕組みとなっている。米国もまた同様に緊急通信システムを運用しており、近年ではAIを駆使した核報復システムの研究を加速させている。

しかし、こうした自動核発射システムには致命的なリスクがある。技術の誤作動、センサーの誤認識、さらにはAIの暴走などが起これば、偶発的な核戦争が起こりうる。実際に1983年、ソ連のスタニスラフ・ペトロフ中佐が核攻撃警報の誤作動を「人間の判断」で見抜き、人類を全面核戦争から救った事例がある。これは核戦略においてAIや自動化システムだけに依存することの危険性を如実に示している。

現代のアメリカでは、トランプ政権以降、核戦争時に迅速に対応できるようAIベースの核報復自動化システムの導入が検討されている。ただ、人間の判断を完全に排除してしまうことへの懸念から、自動化と人間の判断を並行させるモデルの模索が続いている。しかし、倫理的問題や技術的な信頼性、国際的な規範作りといった課題が山積しているのが実情だ。

日本にとってもこの問題は決して他人事ではない。東アジア情勢の緊迫化や近隣諸国の軍事技術革新に伴い、核兵器の運用・自動化技術の展開には高い関心を払う必要がある。日本の防衛戦略においても、AI技術の軍事応用に関する議論は避けて通れないテーマになりつつある。

核兵器はすでに人類の手を離れ、「終末の日の機械」がいつでも作動可能な状況に置かれている。自動化された核報復システムという究極の兵器が動き出すのを防ぐためには、技術革新と共に人間の判断力と倫理的決断が、今まで以上に重要な役割を果たすことになるだろう。

竹内智子
takeuchit@kangnamtimes.jp

コメント0

300

コメント0

[フォトニュース] ランキング

  • 「もうひとりじゃないよ」…母を失った子ザルを包み込んだ妊娠中の犬、その優しさに世界が涙
  • 「MINI×ポール・スミス」27年の絆が再び東京で結実…特別エディションが世界初公開
  • 【ロータリー再生】マツダ「VISION Xシリーズ」、魂動デザインと510馬力PHEVが示す未来
  • 「移動」を再定義するトヨタ、空・家・AIをつなぐ新コンセプト披露
  • ダイハツ、伝説の「ミゼット」復活…電動時代に小さな革命が始まる
  • 「おやつ買って!」かわいくお願いしてきた“あの子”を、家族に迎えるまでの物語

こんな記事も読まれています

  • 「MINI×ポール・スミス」27年の絆が再び東京で結実…特別エディションが世界初公開
  • 【ロータリー再生】マツダ「VISION Xシリーズ」、魂動デザインと510馬力PHEVが示す未来
  • 【再起×進化】エルグランド新章&パトロール復活…日産がモビリティショーで反撃開始
  • 「移動」を再定義するトヨタ、空・家・AIをつなぐ新コンセプト披露
  • サムスンが“二度折れるスマホ”を初公開…次世代モデル「トライフォールド」に世界が注目
  • 「6年連れ添った夫婦が親族だった⁉︎」台湾で発覚した“まさかの血縁婚”、愛は法に阻まれた
  • 「神の金が消えた」…ヒンドゥー教最大の聖地で発覚した“信仰の裏切り”
  • 「1歳の我が子にタトゥー」…賞金のために赤ちゃんを犠牲にした“最悪の親”に世界が激怒

こんな記事も読まれています

  • 「MINI×ポール・スミス」27年の絆が再び東京で結実…特別エディションが世界初公開
  • 【ロータリー再生】マツダ「VISION Xシリーズ」、魂動デザインと510馬力PHEVが示す未来
  • 【再起×進化】エルグランド新章&パトロール復活…日産がモビリティショーで反撃開始
  • 「移動」を再定義するトヨタ、空・家・AIをつなぐ新コンセプト披露
  • サムスンが“二度折れるスマホ”を初公開…次世代モデル「トライフォールド」に世界が注目
  • 「6年連れ添った夫婦が親族だった⁉︎」台湾で発覚した“まさかの血縁婚”、愛は法に阻まれた
  • 「神の金が消えた」…ヒンドゥー教最大の聖地で発覚した“信仰の裏切り”
  • 「1歳の我が子にタトゥー」…賞金のために赤ちゃんを犠牲にした“最悪の親”に世界が激怒

おすすめニュース

  • 1
    1億円のピカソ作品「輸送中に消失」…警察が突き止めた“意外すぎる真実”

    トレンド 

  • 2
    【再起×進化】エルグランド新章&パトロール復活…日産がモビリティショーで反撃開始

    モビリティー 

  • 3
    【いかれた恋心】愛人のために妻を7度毒殺しようと…息子まで巻き込んだ“狂気の父”を逮捕

    トレンド 

  • 4
    「会計が遅すぎる!」20代女が他の客をナイフで刺す…米ショッピングモールで衝撃事件

    トレンド 

  • 5
    クマと闘った60代男性、奇跡の生還…「妻を守るため」全身で挑んだ“壮絶な死闘”の全貌

    トレンド 

話題

  • 1
    「歩道の段差につまずいただけで11億円!?」転倒事故の女性に異例の賠償金、アメリカで波紋広がる

    トレンド 

  • 2
    「もう二度と働かない」と退職した男、1年半後に“出勤”を決意した理由

    トレンド 

  • 3
    「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」...自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!

    IT・テック 

  • 4
    “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か

    トレンド 

  • 5
    「110年前の悲劇が蘇る」...タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!

    トレンド