
【引用:X( Twitter)】一瞬にして地獄絵図と化した機内。今にも墜落しそうなほど機体を揺さぶる「乱気流」が襲った光景だ。飛行中に乱気流に遭遇することは珍しくない。多くの場合、機体が揺れるだけで大事故につながる可能性は低い。しかし、これも過去の話だ。気候変動により乱気流の発生頻度と強度が急速に増している。世界的な気温上昇など気候変動が続けば、乱気流による事故の危険性も高まらざるを得ない。

【引用:X( Twitter)】先月31日(現地時間)、アメリカからオランダに向かう旅客機が乱気流に遭遇し、25人が負傷する事故が発生した。乗客らは激しい乱気流で突然上下に揺さぶられ、一部の乗務員と乗客が天井に跳ね上げられて頭を打ったと証言している。アメリカの気象データによると、該当機が通過した地域で悪天候が発生し、飛行高度と同じ高さに雨雲が形成されていた。雨雲内で暖気と冷気がぶつかり合って乱気流が発生し、これを回避できずに事故に至ったという。

【引用:X( Twitter)】このように飛行機が乱気流に巻き込まれることは珍しくない。アメリカだけでも年間平均6万5,000件もの中程度の乱気流事故が報告されている。近では乱気流事故への懸念がさらに高まっている。乱気流に遭遇する事例が増加しているうえ、その強度も増しているためだ。実際、地域を問わず乱気流の発生件数は徐々に増加傾向にある。

【引用:Reddit】イギリス・レディング大学の研究によると、1979年から2020年にかけて北大西洋上空での乱気流発生が約55%増加したという。また、欧州、中東、南大西洋など他の地域の上空でも長期的な増加傾向が見られた。地球規模での乱気流増加の原因は「気候変動」だ。乱気流は通常、地表から上昇する暖気と上空の冷気がぶつかる際に形成される。二つの気流が交わる場所で渦(乱気流)が生じ、そこを通過する航空機は激しい揺れを経験することになる。

【引用:Getty Images*この画像は記事の内容と一切関係ありません】この状況下で地表がさらに熱くなると、空気はより急速に上昇する。上空の冷気との衝突がより激しくなるのだ。結果として、衝突で生じる渦(乱気流)の強度が増し、範囲も広がる。航空機が強い乱気流に遭遇する確率が高まり、その持続時間も長くなる可能性が高い。特に極端な季節変化により、春の乱気流の危険性が高まっている。冬の間に蓄積された冷気に暖気が流入する時期だからだ。実際、国際民間航空機関(ICAO)が今年発表した報告書によると、2020年から2024年までに発生した乱気流のうち、春季(4〜6月)の発生割合は43.8%と、ほぼ半数を占めた。

【引用:Youtube】このような乱気流の増加傾向は今後も続くと予想される。世界的な二酸化炭素排出が続く中、各地で記録的な猛暑が観測されるなど気温上昇が続いているためだ。一部の専門家は、乱気流の発生が従来の2倍以上に増加する可能性があると予測している。イギリス・レディング大学の研究チームの分析によると、今後二酸化炭素濃度が2倍になった場合、2100年までに乱気流の強度が最大40%増加すると予測されている。また、中程度以上の乱気流の発生頻度が最大170%まで増加する可能性があるという。乱気流の持続時間も平均10分から20〜30分に延びると考えられている。
注目の記事