
【引用:FNN】岩手県北上市で17日、温泉施設の従業員男性がクマに襲われ死亡する事件が発生した。現場ではそばにいた体長約1.5メートルのクマ1頭が駆除され、警察と市が関連を調べている。北上市ではわずか9日前にも別の男性がクマに襲われて死亡しており、県内では人身被害が相次ぐ深刻な状況となっている。

【引用:FNN】事件が起きたのは北上市和賀町岩崎新田の山林だ。前日の16日、近くの温泉施設で露天風呂の清掃をしていた60歳の男性従業員が行方不明となり、現場付近で血痕や動物の体毛が見つかっていた。17日、捜索中の猟友会が遺体を発見し、その近くにいたクマ1頭を駆除した。21日、遺体は行方不明になっていた従業員と確認され、司法解剖の結果、首や背中に大きな損傷があり、クマに襲われたことが死因と断定された。遺体の状況から、男性は襲われた後、山林内まで引きずられた可能性があるという。

【引用:FNN】さらに8日には現場から約2キロ離れた山中でも、キノコ採りに出かけて行方不明になっていた73歳の男性が遺体で発見された。死因は首の損傷による出血性ショックで、同じくクマに襲われたとみられている。市は17日に駆除された個体のDNAを鑑定し、2件の事件が同一のクマによるものかを調べている。

【引用:FNN】クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹氏は「完全にフェーズが変わった。通常では考えにくい異常事態だ」と警鐘を鳴らす。クマが人を襲う理由について、「必ずしも食べるためではないが、一度人間を倒せると学習すると、次は”獲物”として狙うようになる危険がある」と指摘する。実際、駆除された個体は脂肪が少なく、山中で餌が不足していたことが分かっており、2025年の深刻なドングリ不作が出没増加に拍車をかけているという。

【引用:FNN】大西氏は「クマの生息域と人間の生活圏が重なり始め、遭遇の確率は10年前と比べ物にならないほど高くなっている」と分析する。もはや”山の奥の話”ではなく、住宅地や観光地でも日常的に出没するリスクがあると警告する。

【引用:FNN】北上市では今年7月にも、81歳の女性が自宅近くでクマに襲われ死亡した。さらに10月20日には盛岡市の原敬記念館敷地内で成獣1頭が捕獲され、21日には奥州市の事務所車庫に子グマが約20時間居座るなど、市街地での出没も止まらない。

【引用:FNN】大西氏は「これが異常ではなく、新たな日常になる」と述べ、少なくとも12月までは警戒を緩めるべきではないと強調する。そのうえで、「地域にクマを寄せ付けない努力が必要だ」として、柿の実を早めに収穫すること、ゴミを前日の夜ではなく当日の朝に出すことなど、身近な対策を徹底するよう呼びかけている。
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