
【引用:depositphotos】ディスクブレーキの基本構造は単純だ。油圧によってパッドがローターへ圧着し摩擦を生むことで減速するが、この小さな部品には常に高い負荷がかかる。そのため多くの整備工場が四輪同時交換を推奨しており、制動バランスの維持や全体的な摩耗の均一化、そして長期的なコスト合理化という観点でも理にかなった判断といえる。

【引用:depositphotos】もっとも四輪同時交換が絶対条件ではない。制動時の荷重は前輪へ大きく移動するため前パッドの摩耗が先行するのは当然で、前後いずれかの左右ペアだけを交換しても性能上問題はない。ただし軸単位で二つ同時に交換することは厳守すべき原則であり、片側のみの交換は制動不均衡や不意のヨー変化を招きドライバビリティを損なう危険がある。

【引用:depositphotos】整備現場で一般的な80パーセルールはパッド残量が20パーセント以下になった段階で交換を推奨するという基準で、寿命は走行条件や運転スタイルに左右されるものの概ね5万〜11万kmが目安とされる。摩耗を放置すれば過熱やグレージングが発生して摩擦力が低下し、金属同士が直接干渉する段階ではローター損傷によって修理費が一気に膨らむ。

【引用:depositphotos】二つだけ交換するか四つすべてを更新するかは車両の摩耗状態が判断材料となるが、摩耗パッドを放置する選択肢だけは存在しない。ブレーキは車両の最終的な安全装置であり、早期の整備こそが性能維持とコスト抑制の双方において最も理にかなったアプローチとなる。














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