
英国が生んだギタリストであり、ロックバンド「トラフィック」の中心人物として知られるデイヴ・メイスンが、長い音楽人生に幕を下ろした。享年82。メイスンは最も愛用していた椅子に身を預け、穏やかな日曜の陽光に包まれるように静かに息を引き取ったと伝えられている。その最期は、まさに伝説的なキャリアにふさわしい静謐なものだった。
22日(現地時間)、英紙ザ・サンは、世界のロックファンに衝撃を与える訃報が伝えられたと報じた。それによると、フリートウッド・マックの元メンバーであり、ローリング・ストーンズとも親交のあったギタリスト、デイヴ・メイスンは19日、米ネバダ州カーソン・バレーの自宅で静かに亡くなったという。
この訃報は本人のInstagramを通じて遺族により公表され、音楽界に大きな喪失感をもたらした。
「完璧な平穏の中での旅立ち」… 最後まで変わらなかった生き方
メイスンの最期は、自身が残してきた楽曲と同じように穏やかで美しいものだった。
遺族はSNSで声明を発表し、「深い悲しみとともにデイヴ・メイスンの死去をお知らせします」と伝えた。声明によると、メイスンは亡くなる直前まで妻ウィニフレッドと夕食の準備をするなど、日常と変わらない穏やかな時間を過ごしていたという。
さらに、愛犬のマルチーズを足元に置いたまま昼寝をしようと椅子に座ったとされ、その姿はまるで映画のワンシーンのようだった。

声明では「彼は最も大切にしていた椅子に座り、深く愛した美しいカーソン・バレーに囲まれながら穏やかにこの世を去った」と説明されたうえで、「まるで童話のような結末だった。それこそが彼の望んだ形であり、最後の瞬間まで貫いた生き方だった」と続けられている。
闘病中も失われなかった、ステージへの執念
音楽人生の歩みを止めた大きな要因は、心臓の病だった。
2024年9月には心疾患の緊急治療のため入院し、健康状態が懸念される状況となった。その後は感染症も重なり、予定されていた昨夏の復帰公演は中止となっている。
それでも音楽活動への意欲は途切れなかった。病状が明らかになるわずか1カ月前までステージに立ち、観客の前で演奏を続けていたとされる。最後までギターを手放さなかった姿は、多くのファンの記憶に刻まれている。公式な死因は公表されていないが、長い闘病の末に静かな安らぎを得たと受け止める声も多い。
「トラフィック」から「フリートウッド・マック」まで… 音楽史に残した軌跡
1967年、英国バーミンガムでスティーヴ・ウィンウッドらとともに「トラフィック」を結成し、音楽史に名を刻んだ。その後1971年に米国へ拠点を移し、カリフォルニアやネバダを中心に自由な音楽活動を展開した。
1990年代初頭にはフリートウッド・マックの一員としてアルバム『Time』に参加し、大規模ツアーにも加わるなど、その存在感を示した。
ジミ・ヘンドリックス、ザ・ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、マイケル・ジャクソンといった音楽史を代表するアーティストたちが共演を求めたことからも、その音楽性の高さがうかがえる。
遺族や関係者は「彼は私たちの人生に流れる音楽の中に永遠に残る痕跡を刻み、多くの人の心を癒やし、深い感動を与えた。その遺産はこれからも受け継がれていく」と追悼した。
巨匠は去ったが、「Feelin’ Alright?」の旋律は今もなお生き続け、永遠の伝説として私たちのそばに響き続けるだろう。













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