白く清潔な歯は、見た目だけでなく健康的な印象を左右する大きな要素だ。逆に、黄ばんだ歯は不潔で不健康な印象を与えかねない。ホワイトニング歯磨き粉や審美歯科のホワイトニング、スケーリングなどに頼る人も多いが、どれだけ丁寧に歯を磨いても歯の色が徐々に黄ばんでいくと感じているなら、口にしている食べ物・飲み物に原因があるかもしれない。
コーヒーが歯の着色原因としてよく知られている一方で、それ以上に歯を黄ばませる「見落とされがちな食品」も存在する。米国歯科医師会（ADA）、大韓歯科医師会、ハーバード・ヘルスの情報を基に、特に注意すべき着色フードを紹介する。
1. 紅茶（ミルクティー含む）
コーヒーより色が薄く見える紅茶だが、実際にはタンニンの含有量が多い。タンニンは歯の表面に着色物質を付着させやすく、時間とともに沈着が進む。濃く抽出した紅茶やミルクティー、炭酸入りの紅茶飲料などを習慣的に飲んでいる人は、コーヒーよりも深刻な黄ばみに悩まされることがある。
2. ベリー系果物（ブルーベリー、ブラックベリーなど）
アントシアニン色素を豊富に含むベリー類は、歯に強く着色しやすい。とくに生で食べるよりも、ジャムやスムージー、ジュースなど加工された形で摂取すると、酸が歯の表面を一時的に柔らかくし、色素がより浸透しやすくなる。食後すぐに歯を磨かないと着色が進行しやすい点にも注意が必要だ。
3. トマトソース
スパゲッティやピザに多用されるトマトソースは、赤い色素と酸性成分のダブルパンチ。酸性によって歯のエナメル質が一時的に弱くなったところに、濃い色素が染み込みやすくなる。さらに、砂糖を含むソースの場合は口内の細菌バランスも悪化し、着色の進行に拍車がかかる。
4. 醤油や発酵系の濃い味の食品
韓国料理に使われる醤油、味噌、コチュジャンなどは濃い色をしており、塩分と発酵による成分が歯の表面に長く影響を与える。乾燥したおかずや漬物など、濃縮された状態で頻繁に口にする習慣がある人は、歯の隙間に色素が残り、スケーリングでも落ちにくい着色に悩まされやすい。
5. コーラやスポーツドリンクなどの着色飲料
カラメル色素、リン酸、酸性添加物が含まれる清涼飲料も、歯の着色を促進する。ゆっくり時間をかけて飲むことで、口の中に液体が長くとどまり、エナメル質がダメージを受けやすくなる。ストローで飲むなどの工夫が効果的だ。
「黄ばみ」を防ぐには、毎日の習慣がカギ
歯の変色は、ミント味の歯磨き粉や一時的なホワイトニング施術だけで解決するものではない。もっとも効果的なのは予防だ。
色の濃い食べ物・飲み物を摂取した後は、すぐに水で口をゆすぐかマウスウォッシュを使い、30分以内に歯を磨くことが望ましい。ただし、酸性の強い食品を摂取した直後は歯の表面が一時的に脆くなっているため、磨く前に少し時間を置くことが推奨されている。
一度黄ばんだ歯を完全に元に戻すのは難しい。繰り返しホワイトニングを行えば白く見えるかもしれないが、歯のダメージや知覚過敏といった副作用を招くリスクもある。だからこそ、「何をどれだけ頻繁に食べるか」という日々の選択が、数ヶ月後の笑顔を決めるカギとなる。