7月の地球はまさに炎熱地獄そのものだ。真昼の気温が35度を超える猛暑が続くと、誰もが目まいや脱力感を覚える。
しかし、こうした症状が単なる暑さによる不快感なのか、それとも治療を要する熱中症の初期症状なのか、判断しにくいという人も多いだろう。
見分けがつきにくい症状を放置すると、症状が悪化する恐れもあるため、事前に見分け方を知っておくことが夏場の健康管理の要となる。
写真:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
◆ 単なる夏バテによる疲労感は水分補給と休息で回復する
暑さにさらされると体温が上昇し、軽い目まいやだるさを感じることがある。体がだるくなったり、集中力が低下したり、一時的に食欲が落ちたりするのもよくある反応だ。このような場合、涼しい場所で休息を取って十分に水分補給すれば、大抵1〜2時間以内に症状が改善する。体温が正常に戻り、汗の分泌量も適度であれば、わざわざ病院に行く必要はない。
◆ 冷や汗と悪寒は危険信号の可能性がある
しかし、単なる疲労を超えて冷や汗や頭痛、悪寒が同時に現れ始めたら、熱中症の初期症状である可能性が高い。特に、高温の屋外や密閉された空間に長時間滞在し、その間十分な水分補給ができていなかった場合、体内の水分と塩分が急激に減少し、熱疲労や熱中症の前段階の症状が現れやすい。この状態で無理に動いたり放置したりすると、体温調節機能が麻痺し、危険な状態に陥る可能性がある。
◆ 汗が出ないのも熱中症の症状の一つ
熱射病のような重度の熱中症は、むしろ汗が出なくなるのが特徴だ。暑いのに肌が乾燥して熱く感じ、喉の渇きを感じていないのに意識がもうろうとしたり、めまいを感じた場合は、直ちに病院で診てもらう必要がある。体温が40度を超え、意識が朦朧とし、嘔吐やけいれん、失神などを伴う場合は緊急事態。このような場合は、冷たいタオルで体を冷やしながら、すぐに119番に通報するべきだ。

◆ 筋肉のけいれんと肌の色の変化にも注意が必要
暑い日の運動中や肉体労働中に突然ふくらはぎや腹部にけいれんが起こるのも、熱中症の一種である熱性けいれんの症状だ。汗として排出された塩分が体内で不足し、筋肉が異常に収縮するのが原因であり、この場合は塩分を含む飲料やスポーツドリンクを飲み、日陰で安静にする必要がある。また、顔や肌が突然赤くなったり、逆に青白くなったりする症状も、体温調節機能の異常を示している可能性があるため、注意を払うべきだ。
◆ 子供と高齢者は症状に鈍感なため、危険度が高い
乳幼児や高齢者は体温調節機能が低下しているため、症状が急激に悪化する可能性がある。汗が出ない、または元気がないと訴える場合はすでに症状が進行している可能性が高く、特に幼い子どもは症状を正確に表現できないため、保護者が顔色や呼吸、発汗量などをよく観察する必要がある。30分以上症状が改善されない場合や微熱が続く場合は、病院で診てもらうことが望ましい。

◆ 単なる夏バテなら回復が早いが、症状が長引く場合は病院へ
まとめると、単なる夏バテによる症状は水分摂取と休息だけで比較的改善しやすく、体温も37.5度以下を維持する場合がほとんどだ。しかし、めまいが1時間以上続く場合や、嘔吐、意識の低下、頭痛、著しい無気力感がある場合は、医療機関で診察を受ける必要がある。特に、直前まで屋外にいたり作業していた人は熱中症の可能性が高いため、躊躇せずに受診すべきだ。
◆ 疑わしい場合は我慢せず、まず医療機関を訪れるのが正解だ
熱中症は時間との勝負になることが多く、症状が急速に進行すると生命の危険につながる可能性がある。単なる夏バテだと軽視せず、普段と異なる症状を感じたら、すぐに受診することが最も確実で安全な対処法だ。
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