
耳垢の匂いでパーキンソン病を早期に発見できる可能性があるという研究結果が発表された。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が現地時間1日に報道した内容によると、中国にある浙江大学の研究チームは、パーキンソン病患者の耳垢から健常者とは異なる4種類の揮発性有機化合物(VOCs)を検出したという。
研究チームは、以前行った研究で、パーキンソン病患者の皮膚から分泌される皮脂が健常者とは異なる匂いを持つことに着目。耳垢には皮脂が多く含まれていることに着目し、パーキンソン病の発見に役立つ可能性があるとして研究対象に選ばれた。
今回の研究では、200人を超える耳垢サンプルを分析し、特徴的な差異を特定した。
研究チームは「耳垢は容易に採取できるため、今後パーキンソン病の早期発見と予防に大きく貢献するだろう」と述べた。パーキンソン病は治療が困難で完治が不可能なため、早期発見することが特に重要だと言われている。
また、英国クアドラム研究所と欧州分子生物学研究所(EMBL)の共同研究チームは、パーキンソン病患者の腸内細菌叢の構成が健常者と異なるという点も明らかにした。
特にパーキンソン病患者では、溶剤(工業用化学品)や殺虫剤などの有毒物質を分解する代謝経路に変化が見られた。研究チームは「このような化学物質に繰り返し曝露されることでパーキンソン病の発症リスクが高まる可能性がある、ということを示唆している」と説明した。
専門家は「パーキンソン病は手の震えや筋肉の硬直だけでなく、便秘や消化不良、さらに腸壁のバリア機能が低下して毒素が血液中に漏れ出す『リーキーガット症候群』のような消化器異常が、診断前から現れることがある」と指摘した。
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