
米ハーバード大医学部出身の消化器内科専門医が、絶対に食べないと指摘した果物が注目を集めている。
英紙デイリー・メールによると、サウラブ・セティ博士はSNSを通じて「すべての果物が腸に良いわけではない」と述べ、特定の果物は消化器系に有害な可能性があると警告した。彼が最悪の選択として挙げたのは、多くの人が手軽な朝食代わりに食べるバナナだった。
過熟バナナ:食物繊維が少なく糖分が多い
セティ博士によると、バナナは熟すにつれて耐性でんぷんと食物繊維が減少し、糖分が増加する。耐性でんぷんは消化酵素で分解されにくく、小腸での吸収が難しい。大腸で細菌によって発酵され、腸内善玉菌の餌となる。しかし、バナナが過熟すると、この耐性でんぷんが消失し、糖分だけが残る。これにより血糖値が急上昇し、腸内細菌に供給される栄養素が減少する。
このため、セティ博士は過熟バナナを避けるべき果物リストに加えた。ただし、少し青みがかったバナナには10点満点中5点を与えている。
腸に最適な果物:ブルーベリーとザクロ
セティ博士が腸の健康に最適と推奨したのはブルーベリーで、次いでザクロだった。両者とも抗酸化物質が豊富で、活性酸素による細胞損傷を防ぐ。活性酸素は老化やがん、糖尿病などの疾患発症と関連があるとされる。
ザクロに含まれるエラジタニンは強力なポリフェノールで、炎症を抑制し心血管疾患の予防に寄与する。関連して、スペイン・バルセロナ大学の研究チームは、ブルーベリーなどの濃色ベリー類や、ナッツ、カカオ、オリーブオイルなどポリフェノール豊富な食事を摂る人は、心臓病発症リスクが46%低いと報告している。
さらにセティ博士は、食物繊維が豊富なキウイも腸に良い果物として挙げた。キウイ1個(80g)には約2gの水溶性食物繊維が含まれており、便秘緩和や排便頻度の増加に役立つ。食物繊維は腸の健康に有益で、消化を助け、満腹感を持続させる栄養素として知られている。
ブドウ・オレンジは免疫力強化に有効…過剰摂取に注意
一方、ブドウとオレンジは低評価だった。ブドウは水分とビタミンCが豊富だが、他の果物に比べて栄養密度が低いためだ。オレンジはビタミンC、葉酸、抗酸化物質が豊富で免疫力強化に役立つが、過剰摂取は避けるべきだと指摘した。
2022年、英国皮膚科学会誌に柑橘類の過剰摂取と黒色腫発症との関連性を示す研究結果が掲載された。この研究では、柑橘類摂取量が最も多いグループで黒色腫発生リスクが有意に高かったことが示された。研究チームは、柑橘類に含まれる光感受性成分が原因である可能性を示唆した。ただし、長期的な健康への影響については更なる研究が必要だとしている。
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