
世界保健機関(WHO)によると、心血管疾患は世界の死因第1位を占める。日本でも、がんに次いで高い死亡率を示している。健康保険審査評価院の診療統計によれば、心血管疾患患者数は増加の一途をたどっており、特に30代以下の若年層での発症率の増加が顕著である。
1日あたり約10万回鼓動する心臓は、体のエネルギーと生命を支える中枢である。心臓を健康に保つためには、栄養、運動、ストレス、睡眠など、日常の生活習慣を通じた予防的管理が重要である。
適切な栄養摂取
心臓の健康に良い食事は、できるだけ加工食品を控え、自然に近い食品で構成するのが望ましい。果物、野菜、全粒穀物、ナッツ、種子類などは、ビタミン、食物繊維、抗酸化成分が豊富で心血管系に好影響を与える。また、オメガ-3脂肪酸が豊富な鮭、鯖、マグロや、アボカド、オリーブオイル、豆類などの健康的な脂肪も体にいい。
一方、トランス脂肪や飽和脂肪、さらにナトリウムと糖類の過剰摂取は血管の健康を損なうため、控えるべきである。食事だけでの管理が難しい場合は、血中中性脂肪や血液循環の改善に役立つオメガ-3やコエンザイムQ10などのサプリメントの摂取も一案である。

継続的な身体活動の維持
毎日30分以上のウォーキング、水泳、サイクリングなどの中強度運動は、血液循環を改善し心筋を強化するのに効果的である。運動は血管を拡張させ、心臓への酸素と栄養の供給を円滑にし、心血管系に好影響を与える一酸化窒素の生成を促進する。また、継続的な運動は心臓の健康だけでなく、体重管理や脳の健康など多岐にわたる利点がある。
心臓の健康の要、ストレス管理
ストレスは目に見えないが、心臓の健康に影響を及ぼす主要な危険因子の一つである。慢性的なストレスはコルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を増加させ、過食や喫煙など健康に有害な行動を誘発する可能性がある。
ヨガ、瞑想、散歩、深呼吸など、日常生活で実践できる自分なりの「マインドフルネス」ルーチンを作り、心の均衡を保つことが大切である。特に心の平穏は睡眠の質向上と血圧の安定につながり、全体的な心臓の健康を支える重要な要素となる。
健康指標のチェック
心臓の健康を守るためには、定期的な健康診断で血圧、コレステロール、血糖などの数値をチェックすることが重要である。
特に最近では、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブル機器を活用して、心拍数、活動量、睡眠パターンなどの主要な健康指標をリアルタイムで確認できるため、より効果的な管理が可能になっている。さらに、これらのデータは医療従事者の参考資料としても活用できる。
ハーバライフの栄養アドバイザー、ビパダ・サエーラオ博士は「心臓の健康は、食事、運動、睡眠、ストレス、そして生活習慣全般が複合的に作用する健康指標である。特に心臓の健康は初期症状が不明瞭なことが多いため、日常的な管理ルーチンを継続的に実践することが、最も確実な予防策となる」と述べた。
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