
【引用:depositphotos】近年、健康効果を期待して茶を習慣的に飲む人が増えている。抗酸化作用やコレステロール抑制など多くの利点が知られる一方、見落とされがちな問題として「ティーバッグ由来のマイクロプラスチック」が挙げられる。バルセロナ自治大学、ソハグ大学、ヘルムホルツ環境研究センターの研究チームは、ティーバッグの素材によっては数百万〜数十億個規模の粒子が溶出する可能性を示した。

【引用:depositphotos】研究では、ポリアミド系ナイロン、ポリプロピレン、セルロース高分子製のティーバッグを比較した。その結果、ポリプロピレン製では平均直径136.7nmの粒子が1mlあたり約12億個、セルロース製では244nm・約1億3,500万個、ナイロン製では138.4nm・約818万個が検出され、飲用時に人体へ入り込む可能性が指摘された。

【引用:depositphotos】研究チームは、微細粒子が腸の粘液産生細胞に吸収され、血流に乗って循環する恐れがあると警告した。粒子が細胞核にまで侵入した事例も確認され、長期的影響の解明が必要とされる。英国の消費者団体Which?が調査した28社のうち、プラスチック完全不使用のティーバッグは4社にとどまり、素材選択の課題が浮き彫りとなった。

【引用:depositphotos】マイクロプラスチックは日常生活のあらゆる場面で人類を取り巻いており、研究では鼻腔組織から合計390個の粒子が検出された例も報告された。呼吸器に侵入した粒子は鼻炎、喘息、気管支炎などの悪化要因となり得るほか、血液中で検出された事例、授乳による乳児への伝達、臓器や脳への蓄積を示す動物実験結果も明らかになっている。OECDは、世界のプラスチック使用量が2060年に2022年の3倍へ増えると予測し、問題の深刻化が懸念されている。













コメント0