BMW 1シリーズのフェイスリフト予想図
ノイエ・クラッセのデザインに合流
エントリーモデルとして存在感を放つ見込み

コンパクトカー市場が大きな転換期を迎えている。メルセデス・ベンツがAクラスの生産終了を正式に発表し、アウディもA1の後継モデルを投入しないと宣言した状況下で、BMWは真逆の戦略を打ち出している。最もコンパクトな1シリーズをブランド戦略の要に据え、新規顧客獲得を狙う方針だ。その流れで公開された1シリーズのフェイスリフト予想図が注目を集めている。
既に5シリーズのフェイスリフトが予告されているように、新型1シリーズも電気自動車ラインナップとデザインアイデンティティを統一する動きに沿う見込みだ。2024年モデルの1シリーズが発売されたばかりにもかかわらず、BMWは次世代モデルの構想を早くも練り上げている。この新1シリーズは、BMWのプレミアムコンパクトカー戦略を再定義する転換点となる可能性が高い。

1シリーズのフェイスリフト
ノイエ・クラッセのエントリーモデルに
BMWは3シリーズ、X3、iX3、X5などの次世代主力モデルでノイエ・クラッセデザインを採用している。この傾向は電動車だけでなく内燃機関モデルにも広がりつつあり、1シリーズもその流れに加わる見込みだ。
2004年の登場以来、1シリーズは短いモデルサイクルを通じてデザインと技術を刷新し続けてきた。2028年頃には全面新設計の5代目が登場すると予想されるが、その前段階としてフェイスリフト版ではノイエ・クラッセの要素を取り入れ、ブランドアイデンティティの一貫性と最新技術への対応力を示す。1シリーズはノイエ・クラッセのラインナップ中で最もエントリーレベルとなりつつも、プレミアム感を失わないデザインをまとい、エントリー層に強い訴求力を発揮すると見込まれる。

コンパクトカー市場の空白を埋める
BMWの大胆な逆張り戦略
メルセデス・ベンツがAクラス生産終了でコンパクト比率を大幅に削減すると発表し、アウディもA1の生産を終了して市場から撤退する中、BMWは正面突破を選択してコンパクトカー需要を取り込もうとしている。
BMWは長らく「コンパクトカーもプレミアムになり得る」というメッセージを発信してきた。都市部でのコンパクトニーズが高まるなか、次世代1シリーズのデザイン刷新はブランドのエントリー層獲得において重要な役割を果たすと期待される。単なるボリュームモデルを超えてブランド戦略の核心となり、新たなファン層を開拓する起点となることが狙いだ。
競合ブランドが撤退する市場で、BMWがどのような成果を上げるかは今後公開されるデザインと商品性次第となる。1シリーズのフェイスリフト予想図は、BMWがコンパクトカー領域で存在感を維持・強化する意思を示す象徴的な一歩と言える。