30.1 C
Tokyo
2025年07月04日金曜日
ホームモビリティー【物流革命】トヨタが“排出ゼロ×40トン級”を実戦投入…欧州中枢で始まった静かなる実証とは

【物流革命】トヨタが“排出ゼロ×40トン級”を実戦投入…欧州中枢で始まった静かなる実証とは

引用:トヨタ
引用:トヨタ

トヨタは、欧州における物流業務のカーボンニュートラル化を推進する一環として、40トンクラスの水素燃料電池トラックを実運用に導入すると発表した。この取り組みは、複数の物流パートナー企業との連携によって進められており、水素による輸送手段の実効性を欧州の主要物流拠点で検証する試みとして注目を集めている。

トヨタは、BOSトランスポート・グループ、CEVAロジスティクス、グループCAT、ユウセン・ロジスティクスといった欧州の有力物流企業と提携し、水素トラックをベルギーにある「トヨタ・パーツセンター・ヨーロッパ(TPCE)」の通常業務に組み込むとしている。TPCEは欧州全域に部品やアクセサリーを供給するトヨタの主要物流ハブであり、日々50万点を超えるアイテムを取り扱っている。

排出ガス「ゼロ」、最大航続距離400km

今回導入される水素燃料電池トラックは、従来のディーゼルトラックと同等の出力性能を備えながら、排出ガスを一切出さないゼロエミッション車両として設計されている。水素と酸素の電気化学反応で発電し、その電力でモーターを駆動。実走行では水素1回の充填で最大400kmの走行が可能とされる。

トヨタはこの車両について、環境性能の高さだけでなく、電動モーター特有の低振動・低騒音によって都市部や住宅地周辺での運行時における騒音を大幅に抑制できると期待している。また、その静粛性と滑らかな走行特性が、ドライバーの疲労軽減や輸送品質の向上にもつながると分析している。

カーボンニュートラル物流の実証事例を拡大へ

トヨタは今回の水素燃料電池トラックの実運用を通じて、カーボンニュートラルな物流体制の構築に必要な技術要件や運用上の課題を明確化し、将来的に欧州全域への展開が可能かどうかを判断する方針を示している。

ベルギーのTPCEにおいては、リアルタイムでのデータ収集や性能モニタリングが実施され、水素商用車の実用導入に向けた技術的可能性やコスト効率が検証される予定となっている。

本プロジェクトは、トヨタが掲げる「全バリューチェーンでのカーボンニュートラル化」戦略の一環として位置づけられており、車両の生産・販売にとどまらず、物流や輸送、部品流通といったサプライチェーン全体で温室効果ガスの削減を目指す取り組みとして高く評価されている。

また、トヨタは水素燃料電池システムの開発において業界をリードする技術力を有しており、商用輸送分野への応用範囲を今後も継続的に広げていく方針だ。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

モバイルバージョンを終了