
奇抜で珍しい機械のコレクターとして知られる米国のコメディアン、ジェイ・レノ(75)は、1972年製のアルヴィス・スコーピオン戦車でロサンゼルス(LA)の市街地を走行する様子を公開した。特に、レノが戦車のハッチから顔を出して挨拶すると、市民たちが驚くこともなく日常の一コマのように通り過ぎていく場面が話題となった。
これは撮影用の小道具やパフォーマンスではなく、レノ自身が所有する本物の1972年製イギリス製アルヴィス・スコーピオン戦車である。偵察用に設計されたこの車両は「世界最速の量産型戦車」として知られ、重量は約7.9トンながら時速80〜88kmでの走行性能を誇る。

戦車内部には4.2リッターDOHCジャガーXKエンジンが搭載されており、これはジャガーXKEセダンにも採用されたユニットだ。そのため補修部品の調達も容易で、レノは「戦車は意外に壊れない」と笑いながら語っている。さらに彼は1959年製のフェレット装甲偵察車Mk2も所有しており、この車両には30口径機関銃まで装備されている。
一方で、このスコーピオン戦車は「ほぼ合法」と言える形で公道走行が可能となっている。実際に動画にはパトカーが登場するが、取り締まりではなく非公式のエスコートのように振る舞っている様子が映し出されている。安全性を考慮し、履帯にはゴムブロックを装着して路面を保護し、主砲も機能を停止させた76mm榴弾砲に変更済みだ。ただし、煙幕発生装置や潜望鏡はそのまま残されている。

操縦方式は独特で、一般的なステアリングホイールではなく左右のレバーで操舵し、足で4速マニュアルトランスミッション(後退とニュートラルを含む)を操作する完全なマニュアル方式となっている。また、エアコンは搭載されていないため、直射日光下では内部がサウナのように高温となり、長距離走行には不向きだ。
レノが操る戦車は『マッドマックス』さながらの光景を生み出している。現地の住民はもちろん、SNSで動画を目にした人々からも笑いが起こる一方で、無関心に通り過ぎる市民の姿に「LAって一体どんな街なんだ」という冗談まで飛び交っている。
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