
ドイツの自動車大手『フォルクスワーゲン』が、2030年までに中国で30種類の新型モデルを投入する計画を明らかにした。EV(電気自動車)のエコシステムが高度に整備された中国で生産することで、製造コストがドイツの約半分に抑えられると見込まれており、成長の原動力を再び確保する狙いがあるとみられる。
英紙『フィナンシャル・タイムズ(FT)』などによると、『フォルクスワーゲン』は中国での研究開発(R&D)体制が強化されたことで、本社のあるドイツ以外の地域でも初めて車両開発が可能になったと説明を行った。運転支援システムなどの新技術を試験・実証し、量産化に結び付けられる段階に達したと伝えられた。
こうした動きの中心にあるのが、安徽省合肥市に位置する中国技術センター(VCTC)の最終拡張工事が完了した点だ。同センターは今後、新型車開発・生産の主要拠点としての役割が期待されている。
最大の魅力は、やはり低い生産コストだ。『フォルクスワーゲン』は中国で製造した場合、コストが最大50%削減できると見込んでいる。バッテリー供給網、競争力のある人件費、豊富な部品サプライヤーなど、EVエコシステムが幅広く整っていることが背景にある。
同社によると、合肥のVCTCを活用することで、新型EVの開発期間は従来の約50カ月から30%短縮されたと説明した。
『フォルクスワーゲン』は、こうした競争力とコスト削減を武器に、今後5年間でEVラインアップを大幅に拡充する方針である。世界最大の自動車市場である中国でシェアを回復し、再び世界トップ自動車メーカーとしての地位を確立したい意向だ。
上海のコンサルティング企業『オートモビリティ』によると、同社は内燃機関車市場では依然として約20%のシェアを維持しているものの、中国国内の純EVおよびプラグインハイブリッド車の生産ランキングではトップ10にも入っていない。
『フォルクスワーゲン』の積極的な中国投資は、本社のあるドイツ工場で進む人員削減とも対照的である。同社は欧州での自動車需要低迷を受け、2030年までにドイツ国内で3万5,000人を削減する計画を進めている状況だ。
米メディア『ブルームバーグ』は、中国での販売不振、米国の関税による財政負担、欧州全体で続く需要縮小が重なり、『フォルクスワーゲン』には迅速な対応が求められていると分析した。人員削減を含む構造改革、一部EVモデルの発売延期、内燃機関・ハイブリッドモデルの拡大などを同時に進めていると指摘した。













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