
ドナルド・トランプ米大統領が前任のジョー・バイデン政権時に強化された自動車燃費規制を緩和することを決定した。
3日(現地時間)、ワシントン・ポスト(WP)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)などによると、トランプ大統領が発表した規制案の骨子は、自動車メーカーが遵守しなければならない最低燃費である企業別平均燃費基準(CAFE)を、2031年までに従来の1ガロン当たり50マイルから34.5マイルに引き下げることであるという。
CAFEは1975年に初めて導入された制度で、車両の燃料効率を高めるために数十年にわたり段階的に強化されてきた。CAFEはメーカーが販売するすべての車両の平均燃費を測定し、基準よりも高くなければならず、内燃機関車よりも燃費が良い電気自動車を多く販売することが条件を満たすのに有利である。
ジョー・バイデン前政権では米国内での電気自動車の生産と販売を促進するために燃費を2031年までにガロン当たり50マイルまで引き上げるよう要求していたが、トランプ政権がこれを以前の状態に戻すことにした。
この制度の影響で、これまで自動車メーカーは内燃機関車の燃費を改善する一方、ハイブリッドや電気自動車の生産拡大の流れを続けてきた。この中でゼネラルモーターズ(GM)やステランティスのように燃費が悪い大型内燃機関車の販売を主力とする企業は、燃費規制を緩和してほしいと要請してきた。
トランプ大統領が規制緩和を決定したのは、自動車業界が販売価格を引き下げることを期待しているからだとNYTは報じた。
彼は最近、高物価で支持率が下がるなど政治的圧力を受けている状況である。これに燃費基準を緩和すれば、自動車メーカーが関連技術への投資を減らし、さらに価格競争のために自動車販売価格を引き下げるだろうと計算したようである。
トランプ大統領は「バイデン元大統領の政策は自動車メーカーが高価な技術を使って自動車を作ることを強いる結果、コストと価格を引き上げる結果をもたらした」とし、「今回の措置で消費者が新車を購入する際に最低1,000ドル(約15万6,000円)を節約できると期待している」と述べた。
以前からトランプ大統領は、電気自動車や水素自動車などの環境に優しい車両よりも内燃機関車を好んできた。彼は地球温暖化は巨大な詐欺であると述べ、化石燃料の使用を増やすべきだと公然と言ってきた。
米石油協会の会長、マイク・サマーズ氏はWPに「今回の措置は米国の運転手の勝利である」とし、「トランプ大統領が国民のために車両購入時に手頃な選択肢を保証するために常識的な燃費基準を復活させたことに感謝する」と述べた。
一方、今回の燃費基準緩和措置により代表的な電気自動車メーカーであるテスラはもちろん、燃費改善技術に巨額の投資を続けてきたトヨタも大きな打撃を受けるだろうとNYTは展望した。
また、NYTは「今回の決定は気候変動問題に関する米国の重要な取り組みの一つを削除したものであり、自動車産業の未来をより大きな不確実性に追いやった」と批判した。














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