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「中国とロシアの拡張を阻止するため」トランプ次期大統領がグリーンランドとパナマ運河に示す戦略的関心

川田翔平 アクセス  

引用: Newsis
引用: Newsis

ドナルド・トランプ米次期大統領がグリーンランドとパナマ運河の掌握に明確な意図を示す理由が、中国とロシアにあるとの分析が出た。安全保障と経済を脅かす中国、ロシアの拡張を阻止し、地政学的優位を確保する上でパナマ運河とグリーンランドが重要だというのが核心だ。

米国の現地メディア「USAトゥデイ」は8日(現地時間)、トランプ前政権時の2人の国家安全保障顧問を通じてこの内容を伝えた。トランプ氏は、就任準備の過程で北方の孤島グリーンランドと、中米の海岸を結ぶパナマ運河に一貫して関心を示してきた。

7日にはフロリダ州マー・ア・ラゴのリゾートで行った記者会見で、パナマ運河とデンマーク王国内の自治領であるグリーンランドの支配権を奪うため、軍事的または経済的な圧力も辞さないと宣言した。そして「経済的安定のためにも必要だが、安全保障の目的でも重要な場所だ。我々は自由世界を守ることについて語っている」と説明した。

トランプ前政権で国家安全保障補佐官を務めたジョン・ボルトン氏は、USAトゥデイとのインタビューで「米国の政治指導者たちは、100年以上この島の統治に関心を持ってきた」とし、トランプ氏の発言が目新しいものではないと述べた。

トランプ氏がグリーンランドに関心を持つ理由を理解するには、北極から見た世界地図を見る必要があるとの提案もした。ボルトン氏は「米国、カナダ、デンマーク、ノルウェーなど4つの北大西洋条約機構(NATO)加盟国が、北極圏の半分を含む領土権を持っている」とし、そこには「ロシアも含まれる」と伝えた。

米国はすでにグリーンランドに軍事基地を置いているが、島全体の支配権を握れば、首都ワシントンDCがロシアはもちろん、近年の中国の拡張から自国の利益を守れるとの分析も示した。

グリーンランドが安全保障と経済で重要な役割を果たすと見られる理由は、皮肉にも気候危機に起因している。ボルトン氏によれば、北極圏の氷が溶け始めたことで、北米、欧州、アジアを結ぶ短い海上輸送路である北西航路が現実となった。ボルトン氏は「北極圏全域を防衛する能力を誰が持つかが重要になってきた。中国が世界の大国になるため、北西航路に関心を持つ理由でもある」と説明した。

さらに、グリーンランドと北極圏の海底に埋蔵されている資源にも注目が集まった。それが希少資源のレアアース(希土類)だ。ボルトン氏は「人々はこの土地がただ氷で覆われていると思っているが、ロシアのツンドラのように、その下に何があるのか誰が知っているだろうか」と問いかけた。

ボルトン氏と共に、トランプ前政権で国家安全保障補佐官を務めたチャールズ・クーパーマン氏もレアアース回収の可能性に期待を寄せた。彼は「コンピュータ、携帯電話、先端機器に使用される素材の大部分を保有する中国への依存度を大幅に低減できるだろう」と述べた。

トランプ氏は、グリーンランドと共にパナマ運河の重要性も繰り返し強調した。彼は最近の記者会見で「米国が1900年代初頭、蚊の巣窟だった沼地を利用し、51マイルの水路を建設するため、膨大な資金と人力を投じた。それにもかかわらず、ジミー・カーター元大統領がパナマ運河の管理権をパナマ政府に移譲した」と批判した。

またトランプ氏は、現在パナマ運河が中国に掌握されている点も指摘した。彼は「ここ数年、中国が戦略的に水路を事実上支配しており、これにより北京はワシントンDCに対して莫大な経済的、軍事的優位を得ている」と述べた。

さらに「我々は1ドルでそれを譲渡したが、取引内容は公平ではない」とし、「パナマは他国の船舶よりも、我々の船舶に多額の費用を請求している」と付け加えた。

むしろ恩恵を受けたのは中国だとも述べた。トランプ氏は「中国がパナマ運河を運営している」とし、「これまでに建設された中で最も収益性の高い構造物の一つで多額の利益を上げている」と述べた。

中国がパナマ運河を掌握したきっかけも気候変動にある。昨年2月の国連報告書では、深刻な気候変動により干ばつが続き、パナマ運河の水位が急激に低下したと伝えた。これにより船舶の物流滞留が発生し、中国は運河のインフラに巨額の投資を行った。

クーパーマン氏はUSAトゥデイに「中国はパナマはもちろん南米全域など西半球に、大きな影響力を行使しようとする戦略を持っている」とし、「中国の投資が米国の安全保障を脅かす恐れがある」と強調した。

ボルトン氏とクーパーマン氏は、中国を牽制すると同時に、米国のグローバル貿易と軍事戦略を強化するため、トランプ次期政権がパナマ運河に対する米国の管理力と影響力を高めるべきだとの見解で一致した。

川田翔平
CP-2023-0328@fastviewkorea.com

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