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「不幸な人生だ」アルトマン氏がマスク氏を痛烈批判、15兆円買収提案を「狂気の沙汰」と一蹴

太恵須三郷 アクセス  

オープンAIのCEOのサム・アルトマン氏は、テスラCEOのイーロン・マスク氏のオープンAI買収提案を「狂気の沙汰だ(Crazy stuff)」と批判した。アルトマン氏はマスク氏の人生が不幸だと感情的な攻撃も行った。これまでマスク氏の「挑発」に消極的だったアルトマン氏が正面から対抗し、人工知能(AI)覇権を巡るビッグテックの巨頭間の闘争がさらに激化している。

引用:Shutterstock

11日(現地時間)、アルトマン氏はパリで開催されたAIサミットに参加した際、ブルームバーグTVとのインタビューで、「競争相手であるマスク氏がオープンAIを遅らせようとしているようだ」と述べ、「彼がより良い製品で競争することを望んでいたが、数多くの策略や訴訟、狂気の行動でここまで来た」と非難した。アルトマン氏は「オープンAIは売却対象ではない」と断言し、「マスク氏の人生全体が不安から来ているようだ。気の毒だ。幸せな人間ではない」と人格攻撃まで行った。

マスク氏の訴訟提起や公然の非難に「紳士的」に対応していたアルトマン氏が反撃に出た。前日、マスク氏が974億ドル(約14兆9,485億円)に上るオープンAI買収提案書を送ったことに対し、アルトマン氏はX(旧Twitter)を通じて「ありがとう、でもお断りする。望むなら、我々がTwitterを97.4億ドル(約1兆4,948億円)で買おう」と皮肉った。マスク氏が提案した金額の10分の1を提示し、Xをマスク氏が買収する前の名称Twitterと呼ぶことで揶揄したのだ。これに対し、マスク氏はアルトマン氏を「詐欺師(Swindler)」と罵倒した。

マスク氏は2015年にアルトマン氏らとオープンAIを共同設立したが、2018年に全ての持分を手放した。その後、オープンAIが創業時の非営利的使命を裏切ったとして訴訟を起こしている。マスク氏はさらに一歩進め、前日にオープンAIに巨額の買収提案書を送った。

オープンAIは、最上位の非営利法人がChatGPTなどを運営する事業法人を支配する構造で、外部投資の拡大に伴い営利法人への転換が議論されている。マスク氏の買収提案は、営利法人への転換と追加的な外部投資誘致に圧力をかける意図があると解釈されている。実際、オープンAIの理事会メンバーであるラリー・サマーズ元米財務長官は「まだ公式な買収提案はない」と述べ、マスク氏の買収試みが「世論戦」であることを示唆した。

オープンAIの現在の総企業価値は3,000億ドル(約46兆508億円)に達するが、非営利法人の資産はわずか2,200万ドル(約33億7,700万円)である。アルトマン氏と現オープンAI理事会は、非営利団体に安価で一定の持分を譲渡した後、営利法人に転換する案を進めてきた。しかし、マスク氏が巨額の買収提案書を送ったことで、非営利法人持分の「公正価値」が大幅に上昇した。

アルトマン氏と理事会が、マスク氏の提案価格を下回る価格で非営利法人持分を譲渡すれば、会社に損害を与えることになり、法的問題が生じる可能性がある。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の非営利法研究者、エレン・P・アプリル氏は「非営利理事会は資産を公正な市場価値で売却する義務がある」とし、「マスク氏は公正価値を非常に高く設定したようだ」と指摘した。

アルトマン氏の攻撃的な反応には、過去1年余りにわたって進めてきた計画が崩れることへの「苛立ち」が表れている。アルトマン氏はオープンAIの従業員に「我々の構造は、どの個人もオープンAIを支配できないことを保証する。(買収提案は)我々を弱体化させようとする戦略だ」との通知を送り、「内部引き締め」にも乗り出した。

ニューヨーク・タイムズは「マスク氏が望まれない買収提案を送り、オープンAIが1年以上進めてきた企業構造改革を遅らせ、追加資金の調達計画を複雑にした」と報じた。

太恵須三郷
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