米国証券取引委員会（SEC）がリップル（Ripple）社との訴訟を取り下げたものの、暗号資産リップル（XRP）の価格は期待ほど上昇しなかった。
19日（現地時間）、リップルのCEOブラッド・ガーリングハウス氏がSECの控訴の断念を発表し、XRP価格は即座に反応した。
この発表を受け、XRPは2.60ドル（約389円）まで16%上昇したが、翌日には2.38ドル（約356円）へと8%下落し、勢いは長続きしなかった。
この価格の動きに失望した投資家からは「なぜXRPは10ドル（約1,497円）まで急騰しなかったのか」との疑問が相次いだ。
これに対し、エンジェル投資家のアルマンド・パントハ氏が自身の見解を示した。
投資家、SECの公式発表待ちで慎重姿勢
パントハ氏は最近X（旧Twitter）で、「SECが正式に訴訟取り下げを発表していないため、市場は慎重な姿勢を崩していない」と説明した。
実際、SECからの公式声明はまだ発表されていない。今回の訴訟終結のニュースは、ガーリングハウス氏の発表とリップルの最高法務責任者（CLO）スチュアート・アルデロティ氏のツイートを通じて広まったものだ。
SECの最終的な発表がない中、投資家は依然として慎重なスタンスを維持している。「XRPは一朝一夕で10倍になるコインではない」。また、パントハ氏はXRP価格が急騰しなかったもう一つの要因として、デリバティブ市場の影響を指摘した。
「XRPはミームコインのように投機的動きで価格が乱高下するのではなく、デリバティブや機関投資家の動向に左右され、比較的安定した価格推移を示す」と述べた。彼は「XRPが10倍に上昇する日は来るだろう。しかし、それは24時間以内に起こるものではない」と語り、XRP価格は徐々に上昇する可能性が高いとの見方を示した。
XRP価格上昇を阻む要因
一部の市場アナリストは、XRP価格が期待ほど上昇しなかった理由について、「すでに市場に織り込み済みのニュースだった」と指摘している。
実際、リップル社とSECの法的争いが決着するという噂は、訴訟終結発表の1週間前から暗号資産コミュニティで広がっていた。そのため、投資家が事前にこのニュースを予想していた結果、発表後の価格が大きく反発しなかったという分析だ。
これは、金融市場でよく言われる「噂で買って事実で売る（Buy the rumor, sell the news）」という戦略の典型例だ。
XRP、今後の価格上昇の可能性
暗号資産専門メディア「ザ・クリプトベーシック」によると、リップルが法的問題から解放された今、XRPの価格上昇の次なる原動力は「実用性」と「機関投資家の参入拡大」になると予測されている。
暗号資産アナリストで、マーリン（Merlin）の共同創設者であるジョニー・クリプト氏は、「XRPの今後の価格上昇には、大型契約、機関投資家の採用、新規資金流入が不可欠だ」と強調した。
特に、資産のトークン化や国際送金システムでXRPの利用が拡大すれば、価格が大幅に上昇する可能性があると予測されている。
一部の専門家は、XRPが強気相場を迎えれば8ドル（約1,197円）以上まで上昇する可能性があると見ており、スーパーサイクルが到来すればさらに高値を目指す可能性もあるとの見解を示している。
XRP、短期ではなく長期的視点で
現在のXRP価格が期待ほど急騰しなかった理由は、SECの公式発表がないこと、市場がすでに訴訟終結を織り込んでいたこと、そしてXRPが短期的な投機対象ではないことが複合的に影響したと考えられる。
専門家らは依然としてXRPの長期的な上昇の可能性を肯定的に見ており、法的リスクが解消された今、XRPの価値はその実用性と市場採用の度合いによって決まるとの見方が強い。
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