メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「絶対にアメリカの支配下には置かない」カナダ総選挙で反トランプ感情爆発、経済通カーニー首相の自由党が勝利も難局続く

有馬侑之介 アクセス  

引用:カーニーのSNSアカウント、ホワイトハウスFlickr

29日、カナダの総選挙でマーク・カーニー首相の率いる自由党が勝利し、政権維持に成功した。ドナルド・トランプ米大統領によるカナダへの関税賦課の脅しや「米国の51番目の州に編入」発言が反米感情を刺激し、自由党の政権維持に寄与したとの見方が出ている。ただし、過半数の議席を占める多数党の地位を確保できなかったため、今後の政局不安定化の可能性も指摘されている。

◇カーニー「米国との旧来の関係は終わった」

カナダ公共放送CBCなどは、この日の総選挙で与党の自由党が全343議席中144議席を獲得し、野党の保守党(125議席獲得)を上回り第一党となったと報道した。これにより、自由党は総選挙で政権与党の座を維持(4期連続)することに成功した。議院内閣制のカナダでは、与党の党首が首相となり、別途選挙は行わない。ただし、自由党は過半数議席(172議席)を占める多数党の地位を得ることはできなかった。このため、カーニー首相が政権を握っても、他の少数政党と連立を組むか、協力関係を維持することが予想される。

カーニー首相はこの日の勝利演説で「我々は米国の裏切りという衝撃を乗り越えたが、その教訓を決して忘れない」と述べ、「米国とカナダの旧来の関係は終わった」と断言した。さらに「トランプ大統領は我々を支配するために破壊しようとしているが、そんなことは絶対に起こらない」と強調した。

わずか3か月前まで、カナダの次期首相候補として保守党のピエール・ポワリエーヴル党首が有力視されていた。インフレの深刻化や住宅価格の上昇などにより、ジャスティン・トルドー元首相の支持率が低下し、昨年の全国世論調査では保守党が自由党を20ポイント以上リードしていた。

しかし、トランプ大統領が就任直後にカナダの鉄鋼・アルミニウム、自動車および部品に25%の関税を課すと発表し、世論は急変した。自動車および部品は石油・ガスを除けばカナダの対米輸出品中で最大の割合を占めている。さらに、トランプ大統領が「カナダを米国の51番目の州に編入すべきだ」と主張し、カナダ国民の反感を買ったことも影響した。

トランプ大統領は投票開始1時間前にもトゥルースソーシャルで「カナダが米国の貴重な51番目の州になれば、税金を半減し、無償で軍事力を世界最高水準に引き上げられる」と述べ、カナダ国民の神経を逆なでした。世論調査機関アンガス・リード研究所の所長、シャチ・カール氏は「反保守党感情、トランプ大統領の関税賦課、トルドー元首相の辞任などが中道左派傾向の有権者と伝統的な自由党支持者を結集させた」と分析した。

◇新民主党との連立の可能性

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「カーニー首相は不人気だった前政権を引き継いだ首相の中で、選挙で勝利を収める極めて稀な事例を作った」と評価した。「経済通」として米国との貿易戦争に対応する適任者と認識された点も支持率上昇に寄与したとされる。カーニー首相は米ハーバード大学経済学部を卒業し、英オックスフォード大学で経済学の修士・博士号を取得。2008年の世界金融危機時にはカナダ中央銀行の総裁を、2016年のブレグジット(英国のEU離脱)期間中には英中央銀行の総裁を務め、経済危機に関する豊富な経験を持つ。

今後、カーニー首相は米国との新たな通商秩序および安全保障関係の構築に注力すると予想される。この日、オタワでの演説で「トランプ大統領と独立国家の未来について協議する」と述べ、「カナダはエネルギー大国となり、政府は多くの雇用を創出する」と強調した。

このほかにもカーニー政権には解決すべき自国内問題が山積している。高物価や住宅価格の上昇、移民問題などが代表的だ。自由党が過半数を確保できなかったため、国政運営に支障をきたす可能性も指摘されている。自由党は2021年の総選挙でも単独過半数の確保に失敗し、強硬左派の新民主党と連立を組んだ。今回も自由党は新民主党との協力の可能性が高いが、新民主党の議席数が前回より大幅に減少した点が課題となる。新民主党は今回の選挙でわずか3議席を獲得するにとどまり、2021年の25議席から大きく後退した。

有馬侑之介
arimay@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」...自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!
  • 「北朝鮮は絶対崩れないのか?」極秘情報と脱北者証言からわかる“クーデター不可能”の現実
  • 「豚の腎臓移植で9カ月生存!」米UCLA、“遺伝子改変臓器”の実験に成功
  • 「合意内容と違う!」トランプ政権の“成果誇張外交”に日本・韓国困惑...経済同盟に深まる“信頼の亀裂”
  • 「米中露、核実験競争再燃か」...習近平、“新疆ロプノール核実験場”を再建!
  • 「史上最悪デザイン」からの反乱!iPhone17、注文殺到でクックCEOも絶句

こんな記事も読まれています

  • ランボルギーニ「マニフェスト」が描く“美学の挑戦”…電動化の時代に響くデザイン哲学の鼓動
  • 【オーナー専用】ランボルギーニ「THE LOUNGE TOKYO」公開…六本木裏通りに潜む“秘密の聖域”
  • 【新型】スバルBRZ 2026年型登場 …「ピュアスポーツの原点」を現代に蘇らせる
  • 「アウディ×バイエルン」23年の絆が走り出す…RS e-tron GTが導く“電動の未来と情熱の共鳴”
  • 「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」…自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!
  • “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か
  • 「110年前の悲劇が蘇る」…タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!
  • 「北朝鮮は絶対崩れないのか?」極秘情報と脱北者証言からわかる“クーデター不可能”の現実

こんな記事も読まれています

  • ランボルギーニ「マニフェスト」が描く“美学の挑戦”…電動化の時代に響くデザイン哲学の鼓動
  • 【オーナー専用】ランボルギーニ「THE LOUNGE TOKYO」公開…六本木裏通りに潜む“秘密の聖域”
  • 【新型】スバルBRZ 2026年型登場 …「ピュアスポーツの原点」を現代に蘇らせる
  • 「アウディ×バイエルン」23年の絆が走り出す…RS e-tron GTが導く“電動の未来と情熱の共鳴”
  • 「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」…自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!
  • “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か
  • 「110年前の悲劇が蘇る」…タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!
  • 「北朝鮮は絶対崩れないのか?」極秘情報と脱北者証言からわかる“クーデター不可能”の現実

おすすめニュース

  • 1
    「うちの子のちょっと変わった癖」犬の幼稚園で“友達をなでて歩く”ルビーが話題に

    フォトニュース 

  • 2
    「注文と違うじゃないか!」ベジタリアンメニューに“肉混入”で客激怒、店主と射殺

    トレンド 

  • 3
    「編集室から脱出できないアーティスト」カン・スンユン、理想が高すぎて睡眠ゼロ説

    エンタメ 

  • 4
    「JR東海まで落とした男たち」ゼベワン、広告も番組も日本制圧中

    エンタメ 

  • 5
    「完全体は口だけ」EXO、年末も6人+訴訟3人のまま

    エンタメ 

話題

  • 1
    「やめてって言われる女優」チャン・ヘジン、ハイテンションすぎてマネージャー悲鳴

    エンタメ 

  • 2
    「10%でここまで揉める?」EXO-CBXとSMの“細かすぎる仁義なき戦い”

    エンタメ 

  • 3
    「もう何も信じられない」AIが作った“俳優のスキャンダル”、被害者は人間だった

    エンタメ 

  • 4
    「売れない時代にこれは反則」NMIXX、全席完売で“JYP最後の希望”名乗り

    エンタメ 

  • 5
    「恐れに立ち向かうどころか、ランキングを焼き尽くした」ユウタ、ロックで頂点へ

    エンタメ