暗号資産イーサリアム(ETH)が長期的な価格停滞から脱却し、再び上昇トレンドに転じるかに注目が集まっている。

仮想通貨専門メディア「コインゲイプ」などによると、イーサリアムは「ペクトラ(Pectra)アップグレード」を通じて、再び2,000ドル(約28万9,539円)を突破する可能性があるとの分析が相次いでいる。
7日(日本時間)午後9時45分時点で、イーサリアムは3%超上昇し、1,829ドル(約26万4,783円)を記録した。
米中貿易協議再開への期待感に加え、今回のペクトラアップグレードがレイヤー2取引の高速化や、ウォレットレベルでのスマートコントラクト機能の導入を実現することから、市場では今後の成長に対する期待が高まっている。
特に、10万5,000個以上のイーサリアムが大口投資家のウォレットに流入しており、強い買い意欲が示されているとの見方も出ている。
ペクトラアップグレードは、イーサリアムブロックチェーンの性能を大幅に向上させると予想される。これにより、1ブロックあたり最大6個のブロブ(blob)を処理できるようになり、検証者は最大2,048 ETHを統合処理できるようになる。また、EIP-7702の導入により、ウォレット自体でスマートコントラクトを直接実行できるようになり、ユーザー体験の向上と開発者の柔軟性拡大が期待されている。

テクニカル分析指標も上昇トレンドを裏付けている。
イーサリアムは最近1,755ドル(約25万4,123円)の需要ポイントで反発し、50%フィボナッチレベルを支持線として、上昇転換パターンである「イブニングスター」を形成した。
その後は連続して陽線を記録し、強気転換のシグナルを示し、1,835ドル(約26万5,707円)に相当する61.80%フィボナッチ抵抗線まで回復した。
現在の主要な抵抗線は1,949ドル(約28万2,214円)とされており、専門家らはこの水準を突破すれば、2,000ドルまで上昇する可能性が高いと分析している。一部の専門家は、過去の高値であり心理的抵抗線でもある2,100ドル(約30万4,079円)までの上昇も視野に入れているという。
中でも注目されているのが、大口投資家の動向である。
先月29日から今月6日までの間に、大口投資家の純流入量は78.07%増加し、3万7,120個から10万5,330個へと急増した。この指標は、全イーサリアム供給量の0.1%以上を保有する「スマートマネー」投資家の動向を追跡するものであり、彼らが買い姿勢に転じたことは、強い信頼感が形成されていることを示唆している。
専門家によると、イーサリアムはネットワークアップグレードと市場心理の回復という二つの原動力を基に上昇トレンドを模索している。
特に、レイヤー2取引の手数料の削減やスマートコントラクト機能の強化は、短期的な価格上昇にとどまらず、長期的な成長性にもプラスに働く可能性があると期待されている。
2,000ドル突破の可否は、イーサリアムが本格的な強気相場に再突入するかどうかを占う重要な分岐点になるとみられる。